CULTURE

私がフラを踊る理由 最終回  アロハの旅の終着地

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ホノルル空港を降り立ち清々しい空気に包まれる。青空が目の前に広がる。なぜか異国に来たのに不思議と「懐かしい」という気分になる。日本に帰ってもその感覚が忘れられずに「フラ」を始める。またはハワイに来たことのない人でも、友達に誘われてカルチャークラブで始めたフラになぜか惹かれてしまう。

踊った後のなんとも言えない心地よさ。体が動かなくても心が同調してればいい。囲まれた空気の原子の中を自分の原子が泳いでいる。そんな神秘を感じる瞬間。踊っている場所が都会の空すら見えないスタジオであっても、音楽に合わせて踊れば、一瞬、心地良い貿易風が吹いてくる様。日常の疲れ?なにそれ。私疲れてたんだっけ?。怒っていたのに、ダンスの時に無理やりとろける様な笑みで踊れば、怒ってたことも忘れちゃう。「お母さん、何だか嬉しそう」子供たちまで嬉しくなる。旦那さんまで嬉しくなる。

そうなんです。それがフラ

それが「私がフラを踊る理由」でいいのです。

私自身、ようやく「確信して」言える様になったので、今回で「私がフラを踊る理由」シリーズを理由を探すコーナーを閉じたいと思います。それにしても、ここに到着するまで、実は、長い長い時間を要しましたよ。長~い「アロハを探す旅」でした。

時には強い潮の流れに流されてしまいそうになったこともありました(笑)。こんな説明なしに閉じていいんですが、私が経験した「アロハを探す旅」をシェアすることで、あなたの旅を楽にできるかなと。老婆心から(笑)

始めます。。。

「私がフラを踊る理由」私がこの題名をつけ、ハワイアン文化を深く深く掘っていこうと決めたのには、いくつかの理由がありました。まずオアフ島のセンター(ピコ)と呼ばれるところにあるクカニロコとの出会いです。

たくさん日本人の方が観光でいらっしゃる有名なハワイの聖地·王家のバースストーンと呼ばれるクカニロコ。観光地として人気になればなるほど、「あそこに行けば妊娠できる様になるんだよ。」とか「あそこに行けば陣痛のない出産ができる」とか、「パワースポットでパワーがもらえる」とか情報が日本に届く様になりました。私自身もかつてパワースポットのクカニロコに行きましょう!などとブログに書いた覚えがあります。多くのツアー会社が「商用文句」をつけられた聖地。「それが何か?」そう思っていました。聖地を守るハワイアンたちに会うまでは。

ハワイアンのクカニロコを守るジョーリン·カリマパルさんにクカニロコで初対面した理由は、毎月押し寄せる日本の人たちが、意味を知らぬがため、石に登ったりするばかりでなく、真実でないことをどんどん広めてしまっているので、正しい情報を聞いて流してくれる日本人を探している。とのことで、私がその役を引き受けることになったのです。

気軽な気持ちでした。特別なことが聞ける。イエイ!みたいな。聖地でお会いした時、なんとジョーリンさんは、見ず知らずの私にとても真剣に、炎天下の中汗を流し流し2時間。しかも立ちっぱなしで話してくれたのです。

散々話しを聞いていたのに、話の最後に、「寄付金があってこの公園はこうやって整っているの」という話をされたときには私ったら、(今思えば恥ずかしい話ですが)「では、ここを逆にパワースポットとしてうたってしまえば、多くの人がくるんじゃないか」と提示しました。

すかさず彼女は厳しい顔をして、「それはできません。事実ではないから」と。その後も下書きを見せて間違っている部分を直し、何度もメールをやり取りするだけでなく、直接お会いしたりしながら、記事を仕上げることに。文化の真髄を記事にするというのは、軽い気持ちでは出来ないということを学ばせていただきました。

というより自分がいかに調子の良い「金や名誉中心に動く「卑しい生き物」である」ことを知らせれたのです!(苦笑)

彼女だけではありませんでした。自分たちの祖先が大切にしてきた聖地を世の中の風に逆らいながら守っている人たちに数々お会いしました。お金には一切ならないどころか寄付金を集めて聖地に自分と観光客が入れる様に保険金をまかなっているという様な状況であることも知りました。ハワイアンが持つ本当のアロハを多くの人に伝えたい。多くの人が文化の貴重さを知ることで、アロハは純な姿で残っていくのだ。と思う様になりました。

そんな時にハワイイベントを開催されてる渡辺さんが仲間をつれてやってきた。その方に、「アロハを伝える記事を出させくれませんか」といきなり(笑)。どんな記事を書くかも知らないはずなのに(笑)その方(中西さん)が記事をシェアする土台、”HawaiiLoveProject”を作ってくれました。

その後、、、人って気になる系の情報には耳を大きくして聞くんですよね。私の元にこんな話が舞い込んできました。

「今や日本のフラはやばいです。フラは醜いものになりつつあるんです。フラはチャーン店化され、各地に広がるのはいいにしても、理に合わないノルマなどを課せられるんです。ショーのときには必ず、義務的にチケットを売らされますし、ハワイアンの大先生がきた時には、彼が持って来たハワイのものを買わなければ、「バチが当たる」と脅される。ダンサーの間での嫉妬心が常に渦をまき、ショーでの間違えば白い目で見られる。もちろんやっている人は主婦が多いから、家庭からたくさんのお金と時間を持って行ってしまう訳で、離婚をするケースも少なくない。楽しいはずのフラが、苦しいフラに変わりつつあるんです!」

私はすぐにクカニロコと同じ状況になってる。「真実を伝えたい」と思いました。ほっておいたら、「アロハ」は愛でなく「毒」になってしまう。そこでアロハをシェアするためのサイトHAWAII LOVEに、「私がフラを踊る理由」というシリーズを始めたのです。もちろん私はハワイアンでもなければ、ハワイ文化専門家ではない。なので、『大きな視野を持ったハワイアン専門家』のサポートが必要になりました。

ただ「社会の流れに反する様な記事」になるのではないかと、実は心配になったのです。私個人のブログならいいけど、HAWAII LOVEサイトの方に迷惑がかかるのではないかと思いました。

そこで、何度か中西さんに相談しました。が、その度に「深い歴史話は、お金にならなくても続けさせていただきたいです」とおっしゃられ、さらには「ただしフェイスブックの投稿の様なものではなく、しっかりした記事にして欲しいんです」とも(笑)。その言葉に背中を押され、記事を書くためのリサーチを始めたのです。

先ほど、「強い潮の流れに流されかけた」と書きましたが、突っ込んだ分野が全く自分が知らなかった分野だった為、作業を進める中で、混乱したことも多々ありました。

まずは文化の真髄の話をシェアしていただくためには、自分が「正」でなければならない。そうしないと、信頼してもらえない。最初は電話でのインタビューで済ませる予定でした。が、ハワイアンたちの信頼は、「息を交換する」とこで始まる。(おでことおでこをつけて深呼吸をする)

なので、実際にお会いしなければならない。さらにシェアしていただく話が、宗教の考え方にも、スピリチュアルにも触れたことがなかった私にとって、すんなりと理解できなかったんです。「見えないものもあるものと捉える」のが当たり前の分野に、簡単に言えば「怖くなった」のです。

その恐怖心を煽る様に(笑)、周囲から「文字になってないものを文字にするのはよくないんじゃない?」とか「誰も文字にしてないものを文字にするなんてブラックマジックにかかるんじゃない」とか「カルトにハマったのか!」などと言われたりしました(笑)、、、今だから笑える(笑)

その度に、関わっている人たちに相談しました。時にハワイ大学で壇を取られているマヌラ二は、「アロハは愛のみ。アロハをシェアするのにバチが当たることなどあり得ないわ!!」と。さらに「あなたは大事なことを一つ、忘れている。人にアロハを与える前に『自分にアロハを与える』ということを!」と、叱ってくれたのです。

また、ある日、ハワイアンの方に「ハワイの文化を通訳するのは容易ではないはず。君は40万の神々の一人一人を理解しているのかい?理解してないで通訳は難しいだろうに」と言われたときに、ネガティブにとってしまいかなり落ち込みました。その時は、何冊もハワイアン文化の本を出したりハワイアンの誰もが認める映画を作ったハーバード出の天才マーサさんに相談しました。

「あなたがそんなことを気にするのは、あなたが現代の教育に染まってない証拠ね。あなたみたいな人こそ『まさにこのアロハを伝える役にぴったり』だと思うわ。それに40万もの神を理解している人なんて誰もいないわよ(笑)」と言っていただきました。

言葉だけでなく根こそぎ私の不安を取り除いてくれたのは、最後の聖地訪問の記事に出てきたアナカラグレンでした。彼は簡単に私に教えを解くのではなく、私自身が自分のトラウマ的もの(誰しも何かしらあると思います)を克服する様に、さりげなく仕向けてくれたのです。

「ハワイアンの信仰はあなたたち先住民信仰を見つめてみれば理解できるのです。神々と言ってすぐに今の人が言う雲の上を歩ける様なスピリチュアルや精神性と結びつけてるものではないんです。もっと科学的な意味を持つのです。量子学。それに近いものなのです。」と。

要するに勉強不足であるということ(全体像が見えてない)。君はハワイアンじゃないんだぞ。日本人なんだ。誇りを持って自分のルーツに誇りをもて。ルーツに誇りを持てば崩れることのない自分ができるんだそ。ということを、「彼の意見を述べるのではなく」聖地でそしてメールで彼の一族の伝えられてきた真実を伝えることでわからせてくれたのです!

時間を要しましたよ。かなり。まずはサイエンスです。改めてお勉強。

ビルゲイツが新しく作った無料の(創世記から現代までを化学的かつ歴史的な目でわかりやすく教える)カリキュラムは私には有効でした。そこでも、いかに私たちが狭いマインドしか使わずに学業に携わっているかをコンコンと説明されていました。一例をあげると、今の私たちが習う歴史は、せいぜいエジプト文明あたりからですよね。要するに文字ができてからのことを「歴史」とし、その前をサイエンスとし、区切る。結果、歴史が好きでサイエンスが嫌いな人は、文明の歴史(戦いの歴史)しか知らない。人間の歴史は宇宙が始まった時からの神秘的なものから続くのにと。ハイドロジェンとヘリウムの関わりなど、ハワイ古代の教えの中で、きちんと説明されていて、それをハワイアンたちは、いつでも思い、言葉にできる。おじいさん、おばあさんとして、宇宙創世記からの奇跡を感謝している。だから自分の体も「自分だけの体ではない神秘の奇跡」と捉えてる!なるほどと思いました。

ルーツに関しては、日本にもともとある土着した教えを学ぶということをしました。改めて古事記や日本書紀、その解説となる本を読み漁りました。それを随時、アナカラに英文にして報告。ハワイアンの教えと噛み合わせてゆくと言う作業をしたのです。ハワイアンに劣らない素晴らしい教えが残っているのです、日本には!実際にかなり多くのことを学びました。実生活に活かせる事もたくさんあるんですね。なぜ私たちは「いただきます」というのかわかります?そういうことまで明らかになるんです。ご飯を残すと怒られる理由もわかる(笑)。いまは説明もできる人が少なくだけでなく「怒る」部分だけが残っている。よくないことだと思うんですが。。。(話はそれましたが)

ここに書ききれないほど多くの「驚き」が、私の細胞をゆすぶったというんでしょうか、方向を変えて見たらよりますます「アロハの意味」が明確になってきたのです。

アロハとは(ハワイアン文化とは)自分の暮らしを見つめなおす道具。だからフラはルーツを見つめる窓口。だからフラダンサーは、他者にその行為の大切さを知らせる伝達人の役割をしているのです!

フラダンサーは「私たちはいくら頑張ってもハワイアンになれない」ということを理解し、自分を正す。踊らせてもらうことに感謝しなければならないのだと思うんです。自分の中に本当のポノ(安定)を作り自信を持って踊り続けましょうよ!

プレッシャーを受ける理由は、日本に来て強制するハワイアンの方でもなくクムのせいでもなく、あなた自信。あなた自信が勉強不足なのですよ。きつい言い方になりましたが、この勉強の隠語、もうわかりますよね:)

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こんな文章を書けるように誘導してくださった数々の先生(トム·レンチャンコさん、ポノ·シムさん、ジョリン·カリマパルさん、トム·ペナさん、マヌラ二さん、マーサ·ノーイエスさん、グレン·キラさん、クリストファーさん)にお礼を申し上げます。プラス、神道をわかりやすく解説してくださった山村さんの著書、モロカイの真実を伝えるTales from the NIght Rainbow の著書、そしてこのサイトを作る中西さんとスタッフの皆さん、そこにつなげてくれた渡辺さん。この場を借りてお礼させていただきます。それに何よりここまで読んでいただいた「貴方」ありがとうございました。

「あなたから教えてもらったアロハとは内に秘めてた私の命」短歌 by コーヘン恵美子

記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
Facebook https://www.facebook.com/alohaemiko
You tube「英語の勉強しよう!」https://youtu.be/2MlQIl2N3dI


 
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