ハワイでクリスマス?何だか不思議な気がしますよね。暖かいのにクリスマスなんて。
もちろんハワイでもクリスマスは大行事。土日もニューイヤーも休みを取らないで営業しているお店のスケジュールをみると、年中無休(クリスマス意外は)とカッコ書きで「クリスマスが特別扱い」されている(笑)
私が住むオアフ島のノースショアでも、サーファーがクリスマスハットを被ってサーフィンしたり、教会ではホームレスの為にフリーランチが配られたり、近くのミリラ二ウォールマートではクリスマスツリーの生木が売られてたり、子供たちはイヴに訪れるサンタさんの為にクッキーを焼いたり、近所の人や親戚の人にプレゼントを配ったり、などなどと、周囲はクリスマススピリットに満ち溢れ、毎年この時期は、幸せな気分にさせられます:)
もちろんこの時期にハワイにいらした事のある方なら既にご存知でしょうが、ホノルルはもっとクリスマスカラーが強くなる。お店ではクリスマスセールが行われ、アラモアナや、イオラニ宮殿の道路向かい(キングストリート)には、大きなサンタさんがドテッと座ってシャカしてくれる。あれを見せられちゃうと、グリンチ(クリスマス嫌いなストーリーのキャラ)でも、喜ばざるを得ない(笑)
ハワイの歴史上でのクリスマスを調べてみても、やはり「クリスマスが特別扱い」されています。西洋化されてすぐに、特別な日とし、祝う習慣が定着したという一番古い証拠は、1837年。SANDWICH ISLAND GAZETTE というハワイで発行されていた新聞に「社会を支えてくれている人たち、村の人たち、皆様が素敵なクリスマスと新年を迎えられますように」という言葉が掲載されました。その後、1862年12月25日がカメハメハ4世とエマ女王により正式に休日と決められて以来、ハワイでのクリスマスが今のように盛り上がるようになりました。(ちなみに初期のクリスマスパーティーには、豚の丸焼き魚のパイなどが、出されていたそうです)
とはいえ、古代のハワイにはクリスマスなどはありませんでした。
クリスマスはキリスト教徒がイエイ様の誕生を祝う行事。ハワイ古来の信仰が4400の神様たちを信じているのに対し、キリスト教の神様は一人。そこからして全く違う。日本と同じ。日本も八百万の神様を信じる神道がオリジナル信仰ですからね。日本にキリスト教は今ひとつ、広まらなかったのも(政府の威圧もありましたが)理解でますよね。
それなのに、なぜ、ハワイはすんなりキリスト教を受け入れたのでしょうか?
そこにはカメハメハ大王の時代まで遡ることになります。
カメハメハ大王がハワイを統一するために、西洋の力を借りた話は有名な話ですが、その後、大王は他界。他界した後に、カメハメハの(20人の妻がいた中の)最愛の妻カアフマヌが、気の弱い2世を裏で操り事実上、政治を操りました。その時、彼女の意向で、古来の信仰を廃止する条令を下した!
廃止した理由は、既にカメハメハ大王の政治の担い手として活躍していた西洋人のせいなのではないかと想像されるでしょうが、直接の原因はそこではない!政府から信仰排除の条令が出された時には「宣教師たちは島に到着していなかった」んです。
到着したのは約1年後です。
何千年もの信仰を諦めなければならなかったハワイアンたちがどの様な状況にあったか、想像できますでしょうか?神々と横並びで生きていた人たちが、その神々との縁を切れと強制された彼らがいかに心細い思いをしてたか。。。
そこに「見えないもの」の存在を信じる人たちが現れた。神の数は4400分の一に減ってしまったものの、自分たちの心の筋をリペアする信仰が現れたわけですから、多くのハワイアンたちが、ありがたや、ありがたや、とばかりに、キリスト教信者になったのです。特にハマったのは王家の人たち。王家の人たちが、まず信者の教育を受け、一般の人たちへの普及に力を入れた。宣教師たちでバイブルを普及させるために文字を作り、島中の人を教育。元々、六感をフルに働かせることができるハワイアンたちでしたから、あっという間に、キリストの教えを習得。(読み書きのできる確率がものすごく高かった)。
なんともタイミングの良い事でしょうか。あっというまに、新しい西洋の信仰が古いものに入れ替わった。当然、クリスマスはハワイアンたちにとって、大切な日になったのです。
アクションの後に必ずリアクションが付いてくるとよく言ったものです。あの時のカアフマヌの決断が、今のクリスマススピリットの元となったのかと思うと、今のトランプの影響が出るであろう100年後を覗いてみたい(笑)
平和な地球の未来を願うばかりです。
それではまた次回まで。
アロハ~!
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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