写真 絵の左がカアフマヌ。右がマアフマヌに操られていた王様リホリホ。
世界史にしても日本史にしても、どうも後世に伝えられる人物は、飛び抜けてエゴの強い人たちだけだと思いませんか。ハワイの歴史もしかり。カメハメハは多くの人を殺害してきた上で、あの位置を獲得したというのに、今では最高裁判所の庭に銅像になり堂々と聳え立っている。しかも、ハワイに訪れた観光客という観光客が、カメハメハを拝みにゆく。「素晴らしい王様がいたんだね~」と。
もちろん悪いことではありません。内戦の時代を平和の時代に変化させたのはカメハメハだし、その功績が称えられ、今でもヒューマンライトに立ち上がる人間に勇気を与えているのですから。それに歴史にハマるきっかけは必要です。多くの場合、彼の様な人物に惹かれれば、より深く歴史を知りたくなります。私自身もそうでした。今の様に歴史にハマりだしたのは決して学校で学んだ歴史ではありません。図書館で見つけたブラックビアードの海賊に惹かれたからです:)
前置きは長くなりました、一般の人に語られていなくても勇敢な戦士はたくさんいるということを、ハワイの歴史上の中の一人を紹介することで、証明したいと思います。今日紹介するのはまさにラストサムライの様な人。(ラストサムライ=明治維新後に武士道を通そうと西洋化してゆく政府に立ち向かって死んでいった武士たちをモチーフにした映画)主人公の勝元の様な人を紹介します。
まずはカメハメハ大王が活躍していた時代から~
カメハメハがハワイを統一した後、農地の改革が行われたり、ママラホエと言われる国民が安全に過せるための法律を作りました。が、その後、王は他界。息子リホリホが後を継いだのです。王が他界した後は、息子のリホリホが政権を握りました。いや、握るはずでした。しかし、王の器に欠けていた人材だったため、そこにカアフマヌ漬け込んだのです。(カアフマヌとは、カメハメハ大王が生前のうちから摂政の座になっていた女性で、カメハメハの20数名いるもっとも大事にされていた人物)
そのカアフマヌが最初に行った改革は、ハワイアンの信仰を排除することでした。排除した理由は(想像でしか語れませんが) 古来から伝えられてきたカプ(掟)に不満を持っていたからと言われています。”女性は男性と一緒に食事をしてはいけない”から始まり、”ココナッツやバナナは食べれない”などなど、男尊女卑とも言える掟(カプ)が古来ハワイにははびこっていたのです。ただカプは神々が作ったものと言われていたから、カプを消すということは、神々を無視するということに繋がるわけです。
となると4万4千の神に囲まれ、ある意味安心感を持って生きていたハワイの人たちは、どうなるんでしょうか?カプを取り除くというのは、危険なことで、規則を守らなくなる人間も増え、世の中が混乱に陥る可能性が出てきてしまいます。当時それを察したのがケアオウアKeaoua Kekuaokalaniでした。
ケアオウアは、ハワイ島の皇室で、カメハメハ二世/リホリホの従兄弟に当たる人物。カプの廃止令に大反対し、反乱を起こしました。すぐさま政府軍が抑えにかかりました。
それが(ハワイ島)クアマオで決戦です。
ケアオウアは古来の武器を使いましたが、政府軍·リホリホは西洋の銃をうまく操りました。頭に銃を受け、糸も簡単にケアオウアは落ちました。ケアオウアの妻(元カメハメハ大王の妻)マヌヌが主人の横で戦い抜きましたが、同じく銃で殺されました。
古来の方法だと負け側のハイチーフの死体はヘイアウに葬られたのですが、カプシステムが廃止された後の戦いにだった為、ケアオウアたちの死体はそのままその地に放置されました。ケアラケクアベイにマンタと泳ぎに行く観光客が入ったり来たりする地面に今でも埋まっているのです。
マンタ観に泳ぎに向かう人たちに踏まれるソールは勇敢なるもの 短歌 by Emiko Cohen
みなさん、覚えてますか?前回のブログで書いたこと。カメハメハ大王が叔父のカラ二オプウにクー(クーカーイリモク=クー=戦争の神様)の世話役にされた話。それが恨みになり後に爆発しましたが、実はケアオウアも同じ境遇だったのです。カメハメハは息子であるリホリホを王様に選び、甥であるケアオウアをクー(クーカーイリモク=クー=戦争の神様)の世話役にしたのです。
もし、この勇敢なケアオウアをカメハメハ大王が後継に選んでいたのなら、カメハメハ大王が作り上げたハワイ王国は違った方向に導かれていたのかもしれません。
歴史は、もし、、もし、、の連続。
だから面白いんですよね。
それではまた次回まで。
アロハ~
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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