「雨、雨、雨」今年のハワイ。冬から春にかけてとにかく雨が多かった。特に4月の始めに大雨が続き、洪水。被害が多く出ました。
幸い私が住んでいるオアフ島のノースショアでは海水が汚くなったくらいで、さほど影響がなかったものの、南東に位置するウインドワードサイド(ワイマナロやハワイカイ辺り)の一部では、床下、床上浸水が続出しました。
カウアイ島の北側の被害はさらに激しく、ナショナルガードの統計では220人の人がレスキューされました。
4月の中旬に入り天候は安定してきたものの、家が住めない状態になっているのに政府の助けを得られないで困っているお年寄りなど、浸水の爪痕は今でも残ったままです。
浸水のニュースは、当然、地元のハワイのテレビ番組だけでなく、全米ネットワークのCNNやワシントンポストの新聞社でも伝えられました。レイドハミルトン(有名なビックウエイバー)が、大きなボードでパドルしては身動きできない人たちを助けている姿とか、若く力のある人たちが近所のお年寄りの家の中に溜まってしまった泥を除去したいる姿とかを伝えていました。
ですが、それでおしまいなんです。出来事。被害。ヒーロー。そこに「なぜ浸水が起きたのか」の記事が全く見つからない。だから1週間も経つと忘れてしまうんですよね、大抵の人の記憶から。
私は思うんです。こういうことが起きた時だからこそ、原因をしっかり見つめることや、教訓は何かを探すべきだと。
私にできる話は何か???
浮かんできたのは「浸水の被害で地元を離れなければならなかった」祖父母を持つ方のお話。オアフ島、ミリラ二に住む60代半ばのハワイアンの女性です。
「私はオアフ島で生まれたんだけど、私の祖父母はね、元々ハワイ島のワイピオ渓谷にすんでいたの。なんでオアフ島に移ってきたかというと洪水で村が水浸しになってしまったから。
当時の様子をよく母から聞かされたわ。急に水かさが増して、おじいさんが必死で家族を守ろうと、とにかく高いところ、高いところに逃げたんですって。
結局、家族皆は無事だった。けれど、村は全滅。ホノルルに村人のほとんどが移住することになったのよ。
でもね、おじいさんは元々ヒーラーだったから、、自然と共に人を治す、、ホノルルのコンクリートで固められたモダンな生活に慣れず、すぐに病気になって無くなってしまったの。」
不思議と話をしてくれたおばさんには「悲壮感」がない。正直にその印象を伝えると彼女はこう答えてくれました。
「自然災害は必要なことだ、人を目覚めさせるために。。そうおじいさんは言ってたとお母さんが教えれくれました。人間があまりにも便利さを求めて川を埋め立て、コンクリートで土地を覆うようなことをしだした時だったからそれをストップしようと自然が人を戒めようとしたんだと。」
その話を聞いた時に、科学者のビルナイさんが熱く語っていたレッスンを思い出しました。「なぜ私たちに沼地は必要なのか」というと、そこで育った「植物たちがうまく働いて浸水を防いでくれるから」だと。
山から流れてくる水を植物たちがスローダウンさせて吸い込んでフィルターになり、海に残りの(プランクトンを含んだ)栄養価の高い水が流れていく。そんな大事なシステムを「ショッピングセンターが必要だから埋め立てましょう」と平気で埋められてしまったから、急激に、しかも汚染された水がドバーっと流れる。だから被害がでるだけでなく、海も汚れていくのだと。
ちなみに、オアフ島に自然な形で残っている川はほとんどありません。ダムを作ったり開発のために川を埋めて人口の川を作ったり。浸水の被害は、もしかしたらではなくいつかはきっと、という状況になっているのです。
今回の洪水も「自然から与えられたメッセージ」だと組んだ人は何人いるんでしょうか?「災害にあわなくてラッキーだった」とか「被害者がかわいそうだ」とか「助けた人は偉い」とか、上部だけを理解するのではなく奥に隠れた自然からのメッセージを汲み取る必要があるんだ。私はそう思います。
それではまた次回まで。
アロハ~
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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