CULTURE

ゲッコウから学ぶ歴史

ブログ123−2

『石は何でも知っているんです。石は歴史書。石に聞きなさい。』

ハワイの歴史の書物を読み漁りわかったつもりでいた私に、聖地に従事するカフ(聖職者)が、こうおっしゃった。

今日は皆様と一緒に「歴史とは何か」「どうして学ばなければならないのか」を考えてみたいと思います。

私たちは誰しも歴史を学ぶ機会に恵まれます。小学校で、中学校で、高校で、そして好きな人は大学から先でも。あるいは大河ドラマなどのテレビ番組で。例えば、645年大化の改新。794年平安遷都。1543年 種子島に鉄砲。1639年 鎖国の完成。などなど。。。世界史になるとゴルバチョフとか冷戦とか、中国の天安門事件。真珠湾攻撃。。。いくらでも今の世の中にまで行き着くまでの「イベント」は、たくさん見つかります。ただそれらは、インターネットですぐに見つかるから、暗記しなくてもよくなった。

では、歴史は暗記するものだけで済んでいいのか?

私自身もなぜ歴史を勉強するの?と聞かれた時には、「ライターとして書けばお金になるから」とか「ツアーなどもできるし、何より人に「よく知ってるねえ」と感心されるのが嬉しいから」などと浅はかな答えしか出せませんでした。。。そのカフの話を聞くまでは。

古来を知るハワイアンたちは歴史はmo’olelo(モオレロ)だと言います。モオはトカゲ(ゲッコウ)。レロは舌で伝えること。歴史を学ぶ理由はと言うと、「な~に言ってるの。知ってて当たり前のことよ。知らないでよく生きていられるわね」と言われる(笑)。過去を知るのは必須なこと。理由は過去があったから今があり、今があるから未来がある。歴史を知るのは未来のため。それはそれぞれの個人の特別なもので、それぞれの家族で特別なもので、それぞれの地域で特別なものであるはず。だから教科書なんぞに書けるものではない。と言うのです。

口で伝える人はよっぽど気をつけて伝える人を選んで時間をかけて伝えてゆく。それが本来のハワイの歴史の伝えられ方。基本はトカゲ(ゲッコウ)。。。地球が出来た後に単細胞生物が出来て、核分裂し、進化し、魚から両生類になり、私たちに繋がる。私たちは言って見れば、両生類やら魚やらと繋がっているんです。(前回の亀のブログでも説明したように)その部分が過去(歴史)の基本。もっとも重要な部分。そこに枝葉がある。私たちが一生懸命勉強する部分は、歴史のもっとも大事な部分(幹)ではなく、枝葉。枝葉の捉え方は、以下の通り。今を作るのは「明るい」部分だけでなく「暗い」部分も兼ねる。一瞬悪いことと思えることも良いことに何世代もあとに転換される。悪いことがあるのは当たり前のことだと捉える。ただし、悪いと思えることは、その都度その都度、後にしこりが残らないように、浄化する。起きたことを理解し、未来のために、忘れていくと言うホオポノポノの浄化作業などを使う。だから次の世代に伝わる歴史は太い幹のトカゲ(ゲッコウ)で、新たな枝葉を作っていけるのです。出来るだけ正しい枝を。

カメハメハ時代のこんなことからも、ハワイアンの知恵が理解出来ます。。。。様々な歴史家がハワイの歴史を研究しています。例えばカメハメハの最愛の妻で摂政の位置をもらっていたカアフマヌには愛人がいて愛人を大王に殺されて恨んでいたんで大王を毒殺したのではないか、などの話を調べて見ても、証拠となる話などが全くといって出てこなかったと言う話があります。過去に起きた話を間違って伝えると、恨みつらみを産む可能性がある。恨みつらみは、未来の人のためにならない。そこをきっちり古代のハワイアンたちは実践したと言うことなんです。逆側をみてみるとその意味がより理解出来る。歴史が書き残された世の中にあるのは、平和よりも戦争。「俺たちが元々ここに住んでいたんだ!お前たちはよそ者なんだ」とパレスチナ問題は続き、聖書を信じる信仰は、「俺たちの教えが元々正しいんだ、お前たちのは悪魔の教えだ」と、宗教戦争は絶えていない。

今の歴史の伝えられ方は、未来に毒を残すものなのかもしれません。まだ間に合ううちにリバースアクション。歴史書を捨てて、私たちの先祖の先祖のトカゲから学ぶ。私たちが存在する前から存在する石から学ぶ。カフの言っている意味を消化してみる時期に来ているような気がします。

ちなみハワイではトカゲをゲッコウと呼びます。世界に存在するゲッコウは900種にも登りますが、ハワイに居ついているのは、The Orange-Spotted Day Gecko。The Mourning Gecko、The Indo-Pacific Gecko、The House Geckoの4種類。日本でもヤモリと言われ家を守る生物と言われていますが、実際、害虫(ゴキブリや蚊)などを食べてくれる人間の味方。ハワイの伝説の中ではアウマクア祖先の化身(けしん)。私たちの周りの「悪い思考をどんどん食べてくれる」人間の味方。

ブログ123−3

掲載した写真はうちに住み着くゲッコウ。彼らの能天気にしてられるのは、もしかしたら彼らが悪い部分を食べてくれるお陰なのかもしれません:)

それではまた次回まで

アロハ~!

記事: エミコ•コーヘン
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