写真 三つ目の月クーカヒ。日本名では三日月ないし眉月。漁には向いていない日。
西洋時間とハワイアンタイム(その1)で書きましたが、古来ハワイの社会に、24時間 に分けられた時計というものはありませんでした。24時間式の時計は、農業や漁業で生活を支えていた、自然の中で生きる彼らには、意味がないものですよね。そのかわり、ハワイアンタイムが生きていました。ハワイアンタイムと言えば、のんびり、あくせくしない、レイドバック。そんな言葉で表現できると思われがちです。実はそうではないのです。自然と調和を取りながら生きていたから、のんびりしている様に見えるだけなのです。人々は働くときには、働いた。休むときにはたっぷり休んだ。自然をよく把握していた彼らは、種まきの時期や魚の行動をしっかり把握していたから、それが出来たのです。面白いことに、自然にはサイクルがあるんです。それが言い換えてみれば、ハワイアンタ イム。人々が自然と調和するための行動を決める大切な主軸なのです。
ハワイアンタイムを知るには、まず、闇と光を理解する必要があります。昼と夜。太陽と月。日中はアオ(光)。そして夜はポー(闇)。明るい時間のアオには、見えるものに集中する。自分ではなく、必要とされている場所で必要とされる物に、自分が関わってゆく。やらなければならない仕事に一生懸命、殉じる。それが日中(アオ)の使い方でした。そして夜、ポー、闇に覆われる時間は、自分の内面を見つめる時間。自分のナアウ(丹
田)本当の自分と向かいあう。そのためには、自分に命を繋いでくれた過去の人々のことに感謝し、胎内記憶を思い出させる。そういう時間に当てたそうです。ここまでを考えてみただけでも、なんだか心が休まる気がしてきませんか?そして、ハワイアンタイムで最も重要な役割を果たしていたのは『月』でした。月が登る時間と降りてゆく時間を把握し、形に従い、日々の行動を決めたのです。
ハワイアンの人たちは、月のサイクルを三つに区切っていました。
最初のサイクル10個の月は、アナフル·ホオヌイと言います。ホオヌイという意味は、少しずつ大きくなってゆくという意味。10個ある月の全ての名前と意味をあげると、何時間もかかってしまうので、『月の名前に意味がある』ということを、このサイクルの中の月一つをあげて説明します。ハワイアンの月例カレンダーは、ヒロの月から始まります。ヒロの月は太陽と一緒に動いている、ようするに日中に現れる月なので、全く見えません。そして毎日、約50分月の登る時間が遅くなるので、三つ目の月からいきなり夜見えてくる。しばらく月が見えない夜と楽しんでいたお魚さんが、急に月が見えて、驚き、
落ち着かなく泳ぎだす。だから漁には向いてない日なり、漁師さんたちにとって、この月がでるときは、お休みの日になります。
2つめのサイクルは、アナフルポエポエ。ポエポエの意味は『まんまる』という意味です。このサイクルは11個から20個目の月のことを指します。満月を含むこのサイクルでは、エネルギッシュに行動をするという意味を含んでいて、古来の人たちは、漁や農業に精を出したそうです。ハワイの月読みでは、満月の月は3つです。その真ん中がアクアの月。日の入りと共に登るこの月は、大きくまん丸。古来の意味は、男(クー)と女(ヒナ)に分けられる自然界のエネルギーが、このアクアの時に同等になるということで、エネルギーを注ぐのに適した時。なるほど、ドラキュラが出てきそうと西洋文学で言われるのも、理解出来ますよね。
最後のサイクルは、(21個目の月から30個目の月)アナフルホオエミと言います。ホオエミとは、「消えてゆく」という意味で、文字通り、月がどんどん小さくなって行きます。このサイクルにあるオレの月。オレという意味は、全ての行動を慎み、のんびりするという意味で、最初のサイクルに4つのオレがあり、最後のサイクルに3つのオレが続く。その月の日こそ、休日。量にも農業にも不向きな日だからです。今の私たちの休日のサイクルとは全く異なるんですよね。
写真 9個目の月。オレクーコル。オレの月の日こそが、ハワイアンの週末。
サイクルの最後の、月が太陽とほぼ一緒に動く夜は、母親の胎盤に戻ってゆく。。その様な意味があり、次のサイクルは生まれ変わり、リフレッシュして頑張ろうじゃないか、、という意味が含まれていたそうです。
なんとなく面白いと思いません? 日々変わる月の形と、その意味を考えるだけでも、なんだかタイムスリップした様な。それがハワイアンタイムに生きるこつ。心も体も楽に生きる術なのではと思うのですが:)
それではまた次回まで。
アローハ!
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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