CULTURE

私がフラを踊る理由(再び)

ブログ113−2

写真 / 本物のフラにはオハナの飾らない笑顔がある

 

「大きくなったら何になりたい?」

「う~~ん、宇宙飛行士」

「あたしは学校の先生」

「僕はゲームデザイナー」

「わあ、偉いわねえ、しっかり勉強しましょうね~~」

そんな会話は、日本だけでなくアメリカでもよく耳にする大人と子供の会話パターンです。

でも思うんですよね、私、、、「大きくなったら何になりたい?」の答えが「あたしはお母さんになっておばあさんになりたい」でもいいんじゃないかって。それに対して大人もきっと「偉いわね~しっかり勉強しましょうね~」そういう答えは返ってこない。なんででしょうねえ。経済システムの駒になるだけが偉いんじゃないのに。衣食住を心地よく整えるのって実は相当な勉強が必要だし、労力も相当必要とします。おばあさんになったらなったで、親にはできない冷静な目で孫に生きかたを教えるなどなど、学校では教えてもらえないことを伝える大事な役目になる。人生の全てをかけて、全力投球でお母さん、おばあさんになる「自己勉強」が必要なのにねえぇ、、、。

家の外で活躍した人は偉いと言われ、家庭を支える縁の下の力持ち的な人たちは偉いって言われない。そんなのってひどくないですか??、、、と主婦であり母親である個人的な思いだ(被害妄想だ)なんて言わないでくださいね(笑)

バランス。全てはバランス。自分の中の心と体のバランス。家族の中のバランス。社会の中のバランス。国の中のバランス。世界の中のバランス。地球の中のバランス。宇宙の中のバランス。何かに長けている人は社会の中で煌びやかに輝いている様に見えても、その人だけじゃ社会が成り立たないってわけで、そこだけを目差す様に大人が子供を焚きつけると、ですね、、、えっと、アリの世界を考えてみてください。女王蜂が大きくて目立つけど、女王蜂なんてただ寝て増やしてるだけですよ。働きばちが人間が仕掛けた毒入り団子とか開発が進む殺虫剤とかを頭を使って(頭を使うという形容があってるのかわからないけど)回避し、食べ物を巣に集めてくる。すごいことですよ。それに徹していること自体がすごいことじゃないですか?

ハワイの歴史·文化を学んでいますと、そういう種族繁栄の動物的な部分を大切にしているんですよね。「食べる·寝る·増やす」これが命の基本ですよ。そしてこれが上手く機能するためには、相当な洞察力的な勉強が、、、しつこいって??(笑)、、、私の性格、意外としつこいんです(苦笑)。メディアの影響もありありですね。ニュースにしても歌の歌詞聞いてても、ドラマチックなものが素晴らしいともてはやされる。すごい嬉しい人とかすごい悲しい人とかすごいラッキーな人とかすごい不幸な人とか、そういう人ばかりが注目される。先日アメリカの有名政治家、大統領の候補にもなったジョンマッケーン氏がお亡くなりになったんですよ。葬儀は豪勢でしたよ。有名人が集まって約3日間。私たちが納めた税金を使い素晴らしい葬儀だった(笑)。かたや知り合いだからと安いお金で家まできて台所のパイプの詰まりを直してくれた水道管工事の親父がなくなった時なんかは葬儀すらあげられなかったし、周りも皆労働者だから悲しみに暮れてる暇もなかった。どちらが自分に直に大切な人かというと、いうまでもないのにね。

それでもみんな女王蜂を目指すんですよね。目差すように大人が子供にプレッシャーをかける(苦笑)みんなが女王蜂で世の中回るわけがないのに。こんなことをしてたら、いずれ食べ物がなくなり、寝れなくなり、増やす気にもならなくなりますよ(笑)。同じノースショアに住んでる友達のお父さんが書いた本にも書いてあったな。未来の日本は政府がわざと精力を盛り上がらせるためにアダルト系の動画をテレビで流すという話が、、まんざら作り話ではないような。ちなみにお父さんは星進一さんね。(ようこそ地球さんってタイトルの本のショートストーリーの一つです)

ここまで読むと、まるで現代人を脅かしている様ですよね。ごめんなさい、怖い話をしようとしてるわけじゃなく、、、、、、、現実を言ってるだけです、、、、、、ってもっと怖い言い方か(笑)

そこで「フラ」なんですよ。改めて。。。。

ブログ113−1

写真 / フラの元祖をハワイアンに伝授され伝えるクムフラMika Keale Gotoさん

でも今フラというとメリーモナークですよね。大会に勝つきらびやかなフラ。確かに魅力的です。美しく目立つフラに採点が高くつくフラを私は「女王アリ」フラと称します。要は、それだけじゃ機能しない。というか元来フラは、「働きバチ」のもので、それだから素晴らしい。いや、そこでなきゃいけないと思うんですよ。

元来「働きバチ」的なフラを分析すると、本当にフラって本当に素晴らしいですよ。特に古典フラの踊りの内容とか注意してみるとその素晴らしさがよくわかる。例えば「Ka Uluwehi O ke Kai 」の中にこんな踊りが出てきます。食べ物となるお魚をとるために藻を掛け分けて魚を見つける為には、水をあわ立ててしまっては魚に気がつかれてしまうから、まるで自分が水の生物になったかの様に静かに動く。静かに藻をかきわけていく。そこには魚に逃げられない様にだけでなく、水中の微生物にもストレスを加えてしまわない様にするための振る舞いを教えているんです。大げざな様に聞こえるけど水の量子をも驚かせる行為はしてはいけない。そこから水の中の世界のバランスが崩れてしまい、いつかは生物が減っていってしまう、食べ物がへる。命の基本を大切にするための具体的なジェスチャーを伝えるために踊りが存在する。

でも今、こんな命の絆を崩さない農業や漁業の技術を教えるフラなんて予選ですら通らないんじゃないですかね。というか、もともとフラは競いあうものじゃない。戦うものじゃない。女王アリを目指すフラは生活の中で機能してないことがよくありますよ。お母さんがフラに夢中になりすぎて、基本的な暮らしが危うくなったとか。。。基本を保つためのフラと考えるとそんなことはありえない、、基本??、、、そうです、改めて、「食べる·寝る·増やす」要するにオハナ第一。そこをずれてしまうと、自分が苦しくなる。そして周りも。

基本フラは、女王蜂のものでなく、働きバチのもの。働く技術を上げるためのものなのというところに戻ると、フラは素晴らしい威力を発揮するはずですよ。自分がよくなり周りがよくなる。私はフラの専門家どころかダンスもしません。なので、偉そうなことは言えないんですが、文化を根に触れた経験があり、方向が変わっていくのは、やはり良くないと思う。この視点でみて、その基本を押さえているクムフラを発見。東京で伝授されているクムフラです。お名前はMika Keale Goto。数少ないフラの元祖を知る方。彼女のクムは、イオラニ·ルアヒネのフラを伝授されたポニ カマウウさん。彼女の言葉はさすが。ズラズラ書いた私の文章を一言でまとめてくれました。

「私たちのフラははっきり言うと、RUTUAL フラなんです。何を賛美するか、それは、宇宙であり地球、そして自然。原初のフラは、人生を学び考える、人生修行の内容です」

「フラは働きバチのもの」定義。納得されたことでしょう。きっと多くの人がこちら側ですもんね(笑)もちろん私もです(笑)他人からみて特別出なくても特別だということ。それでいいんですよ。踊ってください。本物を。ハラウの方向が違うのなら、自分だけがわかってればいいじゃないですか。いいものは絶対、伝染していきますよ。いいものを広めると、自分が良くなる。

頑張りましょ、何より楽しみましょ。

それではまた次回まで

アロハ~!

記事: エミコ•コーヘン
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You tube「英語の勉強しよう!」https://youtu.be/2MlQIl2N3dI

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