CULTURE

空と海が広がったようなハワイの秋で。

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今までのように、皆さんがハワイに来れなくなってから、6ヶ月。時が経つのは早いものですね。あの賑やかだった時に比べ、空と海がグンと広がったように感じています。。。

先日、人里を少し離れた場所(ププケア)に住む私たちに、こんなよそうもしないことがふりかかりました。散歩に出る度に、必ず声をかけてくれていた近所のおばさんが、(年齢はたぶん70歳くらい)突然、他界されたのです。

散歩に出た際、たびたび、彼女に足止めされ、「バナナが庭でたっぷりできたから持ってかない?」「うん、いただく」「散歩の後に持って帰れるように、軒先に出しとくから、勝手に持ってってね」と。子供たちとそのおばさんとの絡みも深く、おしゃべりが好きなティナは、小さい時からひとりで散歩に出ては、彼女と軒先で長話をしていたし、ベーキングが好きなサリーは、いただいたバナナでバナナマフィンを作っては届けたり、アートが好きなジュリアは、元裁判所で似顔絵を書く仕事をしていたほど腕のある彼女に、色の調合の仕方などの、ちょっとしてアートの技法を教えてもらったり。。。新型コロナが広がってからも、庭先でマスク着用した友達と一緒に、ソーシャルディスタンスを保ちながら、風景デッサンを楽しんでいました。また、猫が好きな彼女は、捨てられた猫がたまっているハレイワハーバーや、ヘイアウに、毎日、毎日、コストコで買った大きな袋のキャットフードを車で出かけ、餌を配っていました。一人暮らしなのに、寂しそうという印象は全くない。「明るく軽やかに広いジャンルの人と繋がることができる技を持つ」彼女は、世の中がどう変化しようとも、心を満たすことが出来ていた、と思うと、他界された彼女に悔いはなかったのではないかと思ってしまいます。

一方、わたしの母。わたしの母は、相当かっこいい母です。田舎から集団就職で東京に出て来てTDKの会社に就職し、寮生活。お昼休み代々木公園でバレーボールをしていた時に、父に見初められ、結婚。高度成長時代の働け、遊べの精神が渦巻く波に乗るように、母もゴルフをはじめ、アマチュアながらもコンペで何度も優勝。地元のママさんバレーチームでは、長身だった為に、ポイントが稼げるエースとしてかなり長い間重宝されていました。スポーツばかりではありません。庭の手入れや家事まで全てしっかりこなし、毎朝5時起きで、団地の5階を何度も駆け上る新聞配達も20 年以上も続けていました。しかし、彼女は、人と繋がる、という部分は苦手でした。人の粗探し(自分が正しいことと違うことを見つける)が得意で、その粗が、あたかも100パーセント悪いと確信してしまうから、躊躇せずに本人に伝えてしまう。厄介なことに、他人がしてくれたことの感謝ができない、という癖ももち、いつの間にか母は、子供から、孫からも去られてしまい、現在86歳。怒鳴っても、叫んでも、誰も耳をむけてくれない、という状況に自分を置いてしまいます。あんなにかっこよかった母なのに、見ているこちらまで、息苦しくなってしまうほど、悲痛に見える日々を送っています。

どちらが良い人、悪い人ということではありません。

残された人たちから、この二つの人生を重ねた時にどうみるか、やはり「愛情に囲まれた人生」の方が楽しそう。しかも皆が通らなければならない老も死も、楽観視させてくれるような気分になる。

以前ハワイアンのカフからも同じようなことを聞いたことがあります。

「世の中を、人生を、そして未来の土地を、より良いものにする為に一番大切なことは、人と人との絡み方だ」

大谷学園のホームページにあるエッセイにも、同じような話が出て来ました。お釈迦様の話に「自分が自分でないことを知らない」要するに無知(自己が大きい人)は、いつまでも苦しむと言います。古来ハワイの話の、「人間は、自分の世代だけで、できてるんじゃない。大昔からの、遡って、宇宙の誕生から、私たちはつながっているんだよ」という話を思い出させる言葉です。

ますます知りたい人の為に、そのまま読んでたエッセイの一部を引用させていただき、書きます。( http://www.otani.ac.jp/yomu_page/kotoba/nab3mq0000009vfq.html )

「わたしには子がある。わたしには財がある」と思って愚かな者は悩む。しかしすでに自己が自分のものではない。ましてどうして子が自分のものであろうか。どうして財が自分のものであろうか。「愚か者」とは無知な者のことです。無知によって欲望が発生し、欲望によって苦しみが発生し、苦しみの中で人間は生きています。
~中略~
「自己」とは自分の身体のことです。身体はいつかは、崩壊する者であり、永遠不滅のものではありません。こころは無始以来(むしむじゅうー始めも終わりもなく続いていること)の流れ(心相続)です。一瞬前のこころが現在に相続され、現在のこころは、一瞬後に相続されます。この一連の流れがこころであり、『こころという実体が実在しているわけではありません』

ところが人間は身体やこころを永遠不滅のものと考え、実体観します。そして自分のものと思って執着します。しかし、そえらは全て一時的なものです。さらに自分のものでもありません。子も財も同じです。永遠に存在するものではなく、いつかはなくなるものであり、自分のものものではありえません。これらに欲望をいだき、執着し、悩み苦しむのが、無知は人間の姿です。

ーーーーー

で、このエッセイの締めくくりの言葉です。

「自分のためにも、他人のためにも、子を望んではならぬ。財をも国を望んではならぬ。邪(よこしま)なしかたによって、自己の繁栄を願うてはならぬ。(道にかなった)行いがあり、明らかな智慧であり、真理にしたがっておれ」

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他人の老い、他人の死は、いつかその立場になる自分の身の振り方を考えるソリューションになります。子供や家族メンバー、社会へどう接して行ったら良いのかを、振り返る機会になりますね。個人的には。。。。

結論を出す前に、ハワイガバナー:イゲ氏の話を聞いてみましょう。(aloha-street.com より引用)

「ハワイ州のデーヴィット·イゲ知事は16日(水)、10月15日(木)より、州外からの訪問者に対して行っているハワイ到着後14日間の自主隔離措置を条件付きで免除する「新型コロナの事前検査プログラム」を導入すると発表。同プログラムの開始で、3月末以来ほぼ閉鎖状態となっている観光業が再開する見込みとなっている。知事が今回発表した「新型コロナの事前検査プログラム」では、10月15日(木)より、渡航前72時間以内に新型コロナウイルスのPCR検査を受けて陰性反応を示したことを証明できる到着者は、ハワイ到着後の14日間の自主隔離措置が免除されることになる。当局によると、10月15日(木)より導入開始となる同プログラムについて、新型コロナウイルスの陰性を証明するために必要なPCR検査は、米最大の薬局· コンビニエンスストア·チェーンであるCVSや大手医療グループのカイザー·パーマネンテで受診可能になる見込みで、ハワイ州のグリーン副知事は、検査料は$140ほどになるだろうとコメントしている。当局ではこのほか、渡航前72時間以内に検査を受診したものの、ハワイ到着時までに検査結果を受け取っていない場合には、ハワイ到着直後から14日間の自主隔離をスタートする必要があるものの、自主隔離中に受診した検査結果の陰性が証明された場合は、隔離解除になるとしている。また、PCR検査を受けずにハワイに到着した場合には、引き続き14日間の自主隔離措置が適用される。なお、イゲ知事は現時点で、10月15日(木)より、ハワイ州外からの渡航者に対して陰性証明がある場合の自主隔離は免除になるとしているものの、現在、他島間の移動者にも適用している自主隔離措置が今後どのようになるかについては明言していない。」

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旅の最中に感染する可能性ももちろんあります。日本でPCR検査が受けられるのかもわかりません。受けても、その検査はハワイでは公式なものとして認められないかもしれません。しかし、11月1日からハワイアンエアラインの直行便が再開される日に「母に会いに行こうと思ってます」。母の身体が心がどんな状況であっても、地球誕生から続いていて祖先を通った命をわたしに、そして、娘たちに繋いだ人。

そう、わたしにとって「母は母」ですから。

それではまた次回まで。
アロハ!

記事: エミコ•コーヘン
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