CULTURE

聖なるハワイの六色の虹

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「早く、早く、学校に遅れるよ!!!」

毎朝7時。寝起きの悪い娘をようやく起こし、ワイアルアの学校に送って行く。

「あ~今日も面倒なことが色々ありそうだ」

と思いながら車を運転。すると、ジャジャーン!!

ププケアの坂を下る最中、目の前に見事な虹が広がる。さっきまでの思いは消え代わりに浮かぶ思いは

「あ~今日もいいことがありそうだ」

なんて単純なんでしょう!(笑)でも、そうなんです。ハワイの太く濃いあの虹をみた人ならわかりますよね!虹を見た途端に、頭の中を支配していた日常のシガラミが消えてゆく。消しゴムみたいな役目をしてくれるってことを。

この不思議な力を持つ「虹」

一体どういうことなんでしょうか?

統計によると、オアフ島は世界で一番虹の見える確率が高いところ。二重や、時には三重の虹が見えることもあります。理由は山。オアフ島には2ツの山脈(コオラウ山脈とワイァナエ山脈)があり、その山脈は太陽が登る東側と西側の海岸線に沿って聳え立っている。山があるということは、低気圧が押し寄せてたりすると、雲が山脈に引っ掛かる。雨の裏から太陽が下から照らすと、プロジェクターの画像の原理のように、空に虹がうつる。要するに、オアフ島は、太陽の上がる位置と下がる位置に沿って山があるから、虹を作り出すのに好都合な環境になっているのです!!

虹はどうして虹になるのか?

科学者でもない私が科学的な話をしますと、太陽の光は実は私たちの目には見えないけれども、様々な色を含んでいる。その光が雨に当たる。光は、反射し屈折する。その肯定で、光は隠していた正体を表す、、見えてなかった色がみえてくる、、というわけなんです。

まとめます。

虹が出る条件

1)太陽の位置は空の低いところにあること

2)太陽は空を眺める人の背後にあること

3)空に雨などの水滴があること

これで、自分がどの時間にどの位置にいて、どこを見れば、虹が見やすいのか、わかって来たかと思います。とはいえ、計画的に見るよりも、「ふと空を見上げるとそこに虹が出ていた」という瞬間の方が、心に響くような気がしますが。。

次に古来の信仰の中での虹の役割をのぞいてみましょう。

ハワイ語の最も一般的な訳されかたはĀnuenue。

アヌエヌエは、ハワイの虹の女神。神々のメッセンジャー。別名はマノアの美女。マノアの谷の風と雨の子。谷は文字通り山に囲まれいて虹が見える確率が高い。皇族たちが好んで谷に住んだ理由は、神々のメッセンジャーである虹アヌエヌエが、しょっちゅう出るから。逆を返せば、虹がよく出るところは雨がよく降る、要するに穀物が育つ豊かな土地だから皇族たちが好んで住んだともいえます。

Ānuenueが虹か、、となると思いますが、ハワイでは家族(家系)によって言葉が違う。少し掘ってみると、、、

緑がかった虹は hakahakaea .

地平線と並行に出るのがEarth-clinging rainbow, uakoko, lehopulu.

虹のたもとに立つことを, kāhili.

太陽や月の周りに出る虹のことはluahoano, luakālai, luakālai lani.

雨の中に見える虹をRainbow-sparkling rain, uakoko.

月の虹は, ānuenue kau pō

うっすら見える虹は punakea.

などと虹の出る場所、環境、などにより、名前が異なります。

また、虹は別世界(死後の世界&スピリットの世界)の架け橋とも言われています。古来の教えを知るハワイアンたちは肉体と精神が半分半分に存在するものと考えています。肉体が死んだ後も精神は生き続ける。どこで?それが死後の世界。虹の橋を渡っていくのです。逆に御霊になった人(神)たちも、子孫の様子を見におりてくる。虹の橋を渡って。

虹一つ一つの「色が語る意味」が書かれた記述を見つけました。訳してみます。。

白=知恵と意識を唱える女神ヒナの象徴。水。

赤=自由と解放を約束する女神ハウメアの象徴。石。

黄色=存在の意味を唱える女神ヒイアカの象徴。風。

紫=効果、結果を唱える女神ウリの象徴。

緑=愛と慈愛を唱える女神ラカの象徴。植物。

青=力を与える、能力を唱える女神カポの象徴。動物。

気がつきましたよね。虹が聖なるものと言われる理由。太陽と大気、水の「命」を支える環境と、そこに知恵を勇気と慈愛の心。いつまでも正常な社会が続く要因全部が現れているのが虹。逆にいえば、そのことを人々に思い出させる為に、虹が出る。自然と人間が平行(平等)に生きていた証拠のような気がします。

そういえば、西の聖地を訪ねた時に、地球の子宮と呼ばれる場所にも行きました。そこは元々カネを信じる家系が住んでいて、その後にカナロアを信じる家系が住みだした。その象徴に、カネとカナロアが肩を組み、その二人が一緒に虹をしょってる絵が掘られた石が立っている。先住民と後にきた家系が肩を組み、自然の恵みを分け合って行きていた、象徴なのでしょう。

で、現代。

今は、ハワイには様々な国の人たちがいる。様々な色(性格、文化、習慣)を持った人が一つにまとまり、綺麗な虹となる。という意味で、ハワイは虹の州と歌われています。

なるほど。知識は知らなかったけれど、効果は出ていたわけです。

「あ~今日もいいことがありそうだ」(笑)

それではまた次回まで

アロハ~!

記事: エミコ•コーヘン
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