CULTURE

ハワイの「文明の発達と文化の消滅」

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写真 / 文明の発達の煽りを得て700分の一に縮められたワヒアワの聖地

いやあ~~読んでくださった人もいると思いますが、これまで実にたくさんのハワイの歴史文化とを勉強してきました。ここのブログにもかなり深いところまで書かせてもらいましたよね。個人的にかなり入り込んでた時期もあり、そんな時は、読者の皆様が付いてくるのが大変だったんじゃないかなと。。。「そんなことないって?」。。。まあまあ遠慮なさらずに(笑)

なんでそこまで勉強したのかっていうと、スタート地点はみなさんと同じですよ。ハワイがあまりにも素晴らしくってもっと知りたくなっちゃったんです。ほんとハワイは良いところですヨォ。風とか海とか。体内の細胞が活性化されるような感じがしますよね。

でも、肌感だけじゃないんです。理由は、色々わかりやすいから。小さいでしょ、島自体が。しかもですよ、日本の鎖国みたいに閉じられていた期間が長かったから、人間の歩む道っていうんでしょうかね、歴史とか文化とか、環境問題とか政治問題とか、そんな人間社会のことが、凝縮されてわかりやすくなってる。だからハワイは面白いんです。

その意味は、まず、地理的にみてみるとわかりますよ。ハワイ諸島は、太平洋の真ん中にある。大陸からかなり離れていますからね。だから、昔から貿易船が寄港して食べ物や飲み物を調達したし、軍事の基地にも都合の良い場所なんですよね。次に、大地に力があるってこと。亜熱帯ですからね。雨がよく降るんです。カウアイ島なんて世界で2番目に雨量が多いところですよ。雨で潤う山があるってことは素晴らしいこと。木々の中には生物が住み、生と死がうまい具合で循環してる。その栄養価の高い山から流れて来た小川を使って平地ではリッチな農業が出来て、川が流れ込む海では稚魚が産まれるから、リッチな漁業ができていた。太陽かの距離も程よい。命を支える力が大きいですよ。ハワイというところは。

だから「ハワイは持ってて便利な場所」なんです。他の国にとったら。特に自分たちの場所が乾いているけど文明が発達している様な場所の人たちには。で、キャプテンクック78年に見つけちゃったでしょ、ハワイ諸島を。それからですよ。続々と海外の人たちがハワイに押し寄せる様になった。文明の力を使っていかにハワイを自分の物のしようかと工夫をし始めたんです。

ここまで聞くと、「元々ハワイに住んでいた人ってなんてかわいそうなんでしょう」などと、ネイティヴハワイアンに同情の言葉も出てくるんでしょうね。ですが、まあまあ、これから先の話を聞いて、考えてみてください。読むとわかります。ネイティヴだって人間です。発達した文明に惹かれるんです。いくら信仰の深かった昔の人たちでも。

例えばですね。クックの一行が到着した時、釘を見せられたんです、島の人たちは。釘に釘付けになっちゃった。。(すみません親父ジョークで)。。とにかく「これはなんて優れてるんだ」と驚いたネイティヴたちは、航海で性的に欲求不満になっていた乗組員に「はい、私の娘と遊んでください」「はい、私の妻と遊んでください」なぞなぞと、女たちをクルーに当て替えて、その代わりに、釘を入手したって話が残ってます。ちなみにこの時、クックは相当怒ったらしいですよね。もともとクルーには注意してたそうなんです。「病気が移るから島の娘たちと交わっちゃダメだ」と。その結果、数年後にクックの一行がもう一度ハワイに戻った時には、感染者がかなり出ていたんですよね。そこから崩れる様にハワイアンの人口が減っちゃった。ハワイの歴史上で、発達した文明を求めようとすると文化が消滅するってことの代表的出来事です。

二つ目は大王の時代です。ハワイ島(ビックアイランド)で生まれ育った勇敢な戦士カメハメハは内戦に入っている時に生まれた。彼は「勝つ」ことしか頭になかった若武者でした。どうにかして領土を広げようと、叔父さんや従兄弟、そして女も子供も平気で殺してしまう様な人だった。だからです。西洋がすでに入ってきた時代、彼らが持ってる大砲や鉄砲をどうしても欲しかった。うまく友達を作りそれらの武器を手にいれた彼、敵が槍を持って戦ってる中、ドッカーンとやった。島を統一できたのも当然ですよね。

彼は、統一してから「さあ、みなさん、もう暴力振るうのはやめましょう」と、言った。遅いんですよ。文明に手を出しすぎたから文化は消滅するのが常ですから。さらに悲劇は彼が死んだ後に起きた。大王が20数人もいる中で最も大事にしていた愛妻のカアフマヌが、大王が死んだ後、ハワイアン信仰を廃止しちゃったんです。大王はかなり強くハワイアン信仰してたというのにです!

これも状況を把握してみると理解できるんです。大王は自分が頂きに登るために、政治の中心に西洋人を入れちゃった。西洋の文明と頭脳を利用する中、周りは見てたんですよね「文明を利用している人がいかに楽をして生きているか」を。タブー(カプ)を守らなくても天罰を与えられてないのを目の当たりにしてみたんですから。特にカプを厳しくかけられた愛妻(カアフマヌ)は、昔のシステムにかなりイラついていたと思いますね。彼女に触れたものは死刑。彼女と目を合わせたものは死刑。(このあたりはまた別の機会に述べますが)ギュウギュウと縛られてたんですから。旦那が死んだと同時に爆発した彼女の気持ち、同じ女性としてよーくわかります(笑)。

こういうカラクリが今でも続いているんです。ドールがパイナップルを缶詰にすることに成功したり、サトウキビの生産がうまくいったら、ハワイに多大なお金が流れてきた。だけど、ハワイアン信仰の聖地が潰れてしまった。今は電車です。レール敷くのにハワイアンのアリイの骨が掘り返されちゃいましたからね。「文明が発達すると文化が消滅する」が今でもしっかり続いているんです。

結構そのあたりに気がついてなくて、矛盾した意見を強調している人も多いですよ。ハワイアンの文化人の中にも。例えば、聖地が潰されたといって怒ってる人も、車にも普通に乗ってるし、ウォールマートで買い物している。信仰を教えている大先生たちの中でも、ラスベガス行ってあの煌びやかの中で弾けるのが好きって人がたくさんいるし。日本でフラを信仰しているフラの先生だって祈りで生きてるわけじゃない。普通に文明を利用して飛行機乗ってハワイに来てる。インターネットも使ってる。それでいて「白人に文化を奪われた」とか言ってる。矛盾ですよ。これでは。矛盾が産むのは「怒り」だけだと思うんですよね。次世代に怒りを受け継ぐ様仕向けても良いことではないと思います。それこそアロハに反してる様な気が。。。

文明が発達すると文化が消滅するってことが歴史の中で繰り返されたということに気がつけば、「答えが現実にある」ということがわかってくると思うんですよね。せめて「こうなったのは誰のせいだ!」なくなってくる。じゃあどうすればって??これからの課題ですね。私の中でも。私だけじゃない。今生きてる私たち皆んなに与えられた課題だと思います。答えは出てくると思いますよ。心にアロハを持っていれば。一緒に頑張りましょ。

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写真 / 電気がなくては生きられぬ。神聖な土地に次々と建てられる風車

それではまた次回まで

アロハ!

記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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