写真 / オアフ島の最西端のカエナポイント
オアフ島、最西端にあるカエナポイントは、島で一番最後に夕陽が沈んでゆくところ。ハワイの人たちは、そこを「玄関」だと言います。
『夕陽が沈む場所が玄関』
『朝日が昇る場所が裏口』
『大地が家』
昔に生きた人たちは、この様に捉えていたのです。
「西は太陽が沈んでいくから裏側じゃないの?」きっと多くの人がそう考えるでしょう。私もそうでした。しかし意味を聞いて納得。
太陽が消えてゆく場所は、生が消えるところ。魂が旅立つところ。だから『過去』。過去が積み重なっているからこそ、今の私たちがいる。そこに背を向けることはできない。だから前。玄関でなければならないのです。
そして今、私たちが立っているのが、家。現在です。この大地が、食べ物を作ってくれたものをいただいく。家が私たちを守ってくれる様に大地が私たちを守ってくれる。私たちが一生懸命、家のメンテナンスをすることで、未来の世代のために家を残すことができる。大地は私たちの家、なのです。
東は未来です。西の過去と大地の現在の後ろについてくるのが、未来。過去に感謝し、今の人が一生懸命に生きることで、未来は自然についてくる。だから見据えなくてもいい。後ろでいいのです。
で、先日、私は、過去に向かって歩いてきました。はい。そのカエナポイントの先端へトレッキングをしてきました。
写真 / Sea Bird 。ポイントの近くの保護されてる場所で何羽も!!ノンビリ過ごしていました
カエナポイントへはノースショアのモクレイアからも行けるし、ウエストサイドの道が終わるところからもアクセスできます。
どちらも歩く距離は同じくらい。ゆっくり歩くと2時間くらいかかります。ただしビーサンでも歩けるほどの平で楽な道です。
常に誰かがトレッキングをしてるのと、道も開けているというのと、横の山に沿って歩けばいいのとで、迷うことはまずありません。
気をつけなければならないのは、車上荒らし。大切なものを車に乗せたまま歩きにいくと、必ずと行っていいほど取られてしまいます。トランクに入れるのも勧められません。
私はモクレイアに車を停めて歩き出したのは、午後4時。太陽が傾きかけてくる時間だから、目の前から光が当たる。途中なんども水分補給をしなければ、干からびでしまいそうでした。(笑)。ただしトイレも売店も何もないので気をつけて水分をとる必要が。。。わかりますよね、この意味(笑)
2時間は長い。そう思われるかもしれない。でも、左に見えるワイァナエ山脈と右に広がる太平洋の海を見ながらのトレッキングは、あまりにも爽快で、本当にあっという間に先端。
実はその先端にたどり着く前に、3本あるうちの真ん中の道を選んで行ったら、先端より西側に近いところにたどり着いてしまいました。が、その景色の良いことったら!!西のビーチが、(多分マカハ)見えました。山脈の形もノースショア側から見るのとは違い、面白い形をしてるし。次回は西側から攻めようと心に決め、改めて先端にアプローチ。
先端まではそこからものの5分。先っぽの先。浜に降りてゆくと、そこには珊瑚の死骸が敷き詰められていれていました。誰かが敷いたのではないかと思うほど、見事にそこだけ白く綺麗な珊瑚が岸辺に広がり海まで続く。まさに玄関にふさわしい様相。
出っ張りに立つ私の視界には青い空と青い海。大地を背にし太陽の子として、このまま飛びだってしまってもいい。。。。
写真 / 先端から見えるのは空と海の青さだけ
おっと、、、いけない(笑)ハワイのカフの言葉を回想。「人間はスピリットと体と半々を持っていて、体が消えてもスピリットは消えることはない。カエナポイントではね、ご先祖さまが、楽しく暖かく迎えてくれて、気持ちよく旅立つことができるんだ。ただし、体をしっかり正しく使い果たすことができた人が、だよ」
「そうだ、まだまだ、こんな私でもできることがある。体があるうちに出来ることがたくさんあるんだ!!体を無駄にしたら怒られる、ご先祖様に、、(苦笑)」まさにその場所で私は改めて「生きること」の意味を確認し元来た道をもどって行くことになりました。
帰りの道。太陽を背にし、現在(大地)を噛み締め、未来(東)に向かいながら私は、「生と死は真逆のようで実は同じことなんだよ。人間の半分が生身の体で人間の魂がその半分なんだ」というカフの言葉を思い出していました。
その言葉の真髄がまさに今の私に見えてくるような気がしてふと後ろを振り返ると、太陽がまさに自分と同じ高さにいる。私の背中に最大のエネルギーを注いでいる?太陽が未来に進むためにバックアップしてくれている!?
写真 / カエナポイントに沈んでゆく夕日
確かに、私たちはバランスを失いかけているのかもしれない。周りをみると体が元気なのに思考のコントロールができずに体を金縛りに合わせるが如く病気になってしまう人。または病気になり死を直面にして思考(心)までも病になってしまう人。
「生/死」が半々ならば「体/心」が半々でいいんだと思うんです。心で全ては克服できない。または体で全ては克服できない。でも、私たちは常に「光」に向かって敬意を払い、力強く生を全うしなくてはならないんです。未来のためにしっかり足を地に(今)つけて生き抜いてこど、愛情が蜜に存在する「過去」の世界へと旅立ってゆく。
そういう大事なことを大事なことって、学校では教えてくれないんですよね。でも、土地や自然はその大切なことをいつも語っている。気がつかないで苦しんでしまうのは、私たちは前と勘違いして後ろ(東)または未来ばかりを急ぎすぎるから。
時にはあえて行こうとしている反対方向に歩いてみるといいかもしれない(笑)引っかかってた答えが出たような気になると「すぐに暗くなって来ちゃいそう」な自分の歩いてるペースに気づき(笑)駐車場へと歩速を早めようと前方をみると。。
写真 / 未来(東)に向かい歩いていると目の前には虹が!
行ってよかったです、駐車場にそのままの姿で自分の車が置いてあったし(笑)。夕日が沈みかけてくると、トレッキングのはじめの方にあるこじんまりとした浜で、若者たちが日没の光を楽しんでる。釣りをしている人もいたし。ほのぼのとして、とても良い感じ♫
改めて、自分が自分の家族であるだけでなく、宇宙の産物からできて、地球の産物で生かしてもらっている一つの命なのだと思いました。多くの人に経験していただきたいトレッキングコースです。
それではまた次回まで
アロハ!
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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