かれこれ30年も経つんですが、ボディーボード(波乗りの一種)をやっている時に雑誌社の遠征に招かれ、ハワイのボーダー数人とハワイの島々を旅した時のことです。
ハワイ島のポイントで波乗りをすると決めたその日、広いハワイ島のポイントからポイントに移動するための長いドライブの間にきっとお腹が空くだろうからと前持ってスーパーによりそれぞれ好きなスナックを買うことにしたんです。
私はクッキーやらチップスやらとありきたりなスナックを買いましたが、ハワイローカルのボーダーたちは刺身を買ってきたんです。「おやつにさしみ??!!」と思ったのですが、それを美味しそうにフォークでつついて食べているんです。醤油とごま油でマリネしてあるぶつ切りのマグロ。詳しい話を聞くと、ハワイのあちこちのスーパーで量り売りに売られていていて、多くのローカルがおやつとして食べている、ということでした。
それが私とポキとの初めての出会い(笑)
ポキとはハワイ語にすると「ブツ切り」。食の歴史家の記述をいくつか読んでみると「西洋人が来る前にすでにハワイネイティヴたちが食べていた」ということで一致しています。
元々はカラフルなリーフフィッシュをぶつ切りにし、天然の塩とリム(海藻)を混ぜてそれにククイナッツのオイルを絡めて食べていたと。冷蔵庫のない時代だから塩を混ぜることで保存が効いた。ククイナッツであっさりした魚をよりリッチなテイストにすることができた。17種あるハワイの海藻の中でよりソースが絡みやすいケバケバのリムを使ったことで、歯ごたえのある食感を増すことにも成功。どの時代でも人々の「食への欲求」は強くそれを満たすアイデアは、人から人へと伝わっていくんですよね:)
現在のポケの定番は醤油とゴマ油が混ざっているもの。みなさんもすでに想像されていると思いますが、その通りです(笑)。サトウキビ時代に移民して来た日本人たちが、元々あったその料理の材料を日本風にアレンジしたものが今のハワイに定着したのです。
そして昨日、娘と行って来たのが、日本から移住したシェフが数ヶ月前に開店したポケボールのお店。開店して一年も経たないというのに観光客だけでなくローカルたちにも愛されるお店になったのは、マグロの品質の良さと好みに合わせたポケボール(丼)をサーブしてくれるから。がっつり食べたい人は丼にしてご飯と一緒に食べればいいし、ビーガンの人は野菜とナッツをアレンジしてサラダ風にするといい。
「フードランドのポケ丼よりも刺身が柔らかいから美味しい」が娘の感想で、野菜が混ぜてあるのが栄養バランス的にも良さそうで気に入ったのが母(私)の感想。
かつての日本人がネイティヴの食べ物をアレンジしたものがさらに日本人の手が加わりモダンなディッシュと変わってゆく。面白いですよね。ハワイだというのに(笑)ワイキキにいらした方、ぜひマグロ屋。行ってみてくださいね。(日本語も通じます)
お店情報
名前 Maguro Spot
営業日 月~土
営業時間 午前10時~午後20時30分
住所 2441 Kuhio Ave, Honolulu, HI 96815
電話 (808) 924-7653
それではまた次回まで
アローハ!
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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