CULTURE

オヒアレフアの素敵な話

ブログ132-1

写真 / オヒアレフアと守り神アパパネの鳥

雨が続いてます。

「誰かがオヒアの花を摘んだのかな?」

ハワイのあるファミリーに伝わる話の中に、「オヒアレフアの花を摘むと急に雨が降る」というのがあります。

おばあさんから話を聞いた子供たちは「え~、今楽しく遊んでるのに、雨振ったら帰んなきゃいけないからやだ」と、面白い形だからついついつまみたくなるけれど我慢してきたそうなんです。タネになる前にどんどん積んでしまうと、次の木が育たない。そんな配慮からでしょうか?

またはフラダンサーのためにとっておくためでしょうか?外に放たれる燃えるような赤はフラにより神聖さを与えてくれる。フラで使うレイなどの素材としてとても人気がある花です。

きっと深い話が裏に隠れているはず。家系によって伝えられ方は異なる伝説ですが、要点は同じ。自然と人が繋がる。そして自然を自分たちの身のように慰る。というところです。私個人の選択で申し訳けありませんが、その「オヒアレフアの伝説」を皆様にシェアさせていただきます。

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むかしむかし、ハワイのプナという地区に、とても美しい女性が住んでいました。名前はレフア。ふっくらとしたお月様の様な顔。星の様にキラキラな目。髪の毛は、まるで海岸の崖の様にまっすぐで黒光している。性格も優しい。出会った人は皆、彼女に惹かれてしまったそう。

ある戦士も彼女の虜になりました。彼の名前は、オーヒア。がっしりとした足はまるで森の大木の様。胸はワイド。笑顔は太陽の様。勇敢で優しい性格、女性たち皆、一目彼を見てしまったら、惚れてしまう。それほどハンサムな男性でした。

ある夜のこと。オヒアが「オヘ ハノ イフ」という鼻フルート(古代の楽器)を森の中で吹いていると、その音色は街のレフアの元にまで届きました。

「まあ、素敵な音だこと」

つられる様にレフアが森の中に入っていくと、そこにオヒアが。。。。その日から二人は度々会う様になりました。時には、森の中の月明かりが指す道を歩いたり、海辺で小さな魚たちを見入ったり、またある時は、朝焼けに光るもりの草花を鑑賞したり。。。オヒアが楽器を吹いている間にレフアが集めた花でレイを作りクプナに捧げたり。~~素敵な時を過ごしていました。~~~

レフアのアウマクア(祖先の守り神)は、アパパネの鳥でした。ある日、レフアを守る責任から、アパパネの小鳥は、音につられて森に行くレフアをつけていき、二人の愛が育まれている様子に安堵の思いを噛みしめました。

ある日、綺麗な別の女性が彼に近づきました。顔はふっくらお月様の様。髪の毛はまるで海岸の崖の様にまっすぐな黒。眼は炎の様。その素敵な女性をみたオヒアは丁寧に挨拶し、静かにまたフルートを吹き始め、レフアがやってくる時を待ち続けました。

あくる日、またその綺麗な女がオヒアのところにやってきました。彼女は、炎の様な眼で彼をじっと見つめこう言いました。

「オヒアよ、私のものになりなさい」

「私の心は既にレフアへと向けられています」とオヒアは丁寧に断りました。

すると、「あなた私が誰だかわからないの?」と。

「君は偉大な女神ペレですね。私はあなたにはふさわしくない。既に心が決まっているから。」

そうこうしているうちにレフアが到着。オヒアはレフアをしっかりと抱きしめました。それを見たペレは怒りを露わに!彼女が地団駄を踏んだそのとたん、火山が爆発し、溶岩が流れ出し、オヒアとレフアを囲ってしまいました。

「レフアを置いて、私に付いてきなさい!」

「偉大なる女神ペレ、彼女を置いてゆくことはできません。私がいなくなればきっとレフアは生きてゆけません。もしレフアが死ねば私は生きる意欲を失ってしまうでしょう。」

「では、そこで二人で死になさい!!!」

溶岩が二人の足元に迫るにつれ、レフアはさらにオヒアを強く抱きしめました。

しかし容赦なく溶岩が二人にどんどん迫る。するとどこからともなくアパパネの小鳥が現れました。溶岩を羽で追いやろうと、必死で羽ばたきましたが、効果なし。溶岩をレフアに当ててはいけないと、オヒアは彼女を持ち上げました。そのレフアの上に小鳥が止まりましたが、あまりの熱さに小鳥は甲高い鳴き声を出し続けながら、飛んで行ってしまいました。

どうすることもできないオヒアとレフアに助けが現れました。常に万物に愛されていた二人。森の妖精たちが味方をし始めまたのです!彼らの力で、溶岩は流れる矛先を変えました。そして、オヒアの火傷した足を木に変え、腕を枝に変えました。持ち上げられていた状態のレフアの髪は炎の風を受けてブワンと広がり、炎が反射して真っ赤になりました。そのままレフアは綺麗な花へと変化しました。

二人は一つ。二度と離れない仲になったのです。

さて、アパパネの小鳥は、どうしたのでしょうか?喜んで木の周りを飛び回っているアパパネの小鳥の姿は、今でも見ることができます。今では二人の守り神となっているのです。

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その伝説を教えとするハワイアンたちは「レイを作る人は、森に入る時にとってはいけない。森から出る時なら積んでも良い。しかし、しっかりとお祈りを捧げること。また、カップルで来た場合、森に入って喧嘩をしたとしたら、レフアがとてもがっかりし、枯れてしまうこともあるし、帰り道を失うことになるかもしれない」と、信じています。

またフラのレイとして使われるレフアの花を積むのには、2、3の決まりがあリます。

1 森の中に入り帰り際に花を採取すること。採取する時には必ずお祈りを捧げること。入る時に積むのではなく帰り際に積む理由は、花が崩れやすいので、歩いているうちにバラバラになってしまうから。とったらできるだけ早くレイに編んでしまうのが、綺麗なレフアのレイを作るコツ。

2 朝のうちに積むこと。理由は、キーヘネの森が最も濃い森として有名で、その場所にはたくさんのオヒアレフアがあるが、朝は晴れているが、昼以降は雨が降ることが多い。朝の晴れているうちの方が採取しやすいし、水分をたっぷり含んでいるので、採取した後も枯れにくい。

伝説。神話。それらは私たちに「大切なことを教えてくれる」要素。「おばあさんのうるさい小言」は聞けなくても、こんな話なら誰でも聞き入れちゃう。改めてハワイアンたちの温かみを感じました。

ちなみに現在、そのオヒアの木がカビの一種にやられて、数をどんどん減らしています。特にビックアイランド。カビなので胞子が広まる可能性大。ハイキングに行く方は、次の森に入る前に、必ず靴を綺麗にしてくださいとのことです。私もオヒアの絶滅の危機を救うために苗を植えることにしました:)

ブログ132-2

写真 / オアフ島東海岸で購入したオヒアの苗

記事: エミコ•コーヘン
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