CULTURE

ワイキキでアロハを伝えるビーチボーイたち

ブログ45−1

筋肉質で褐色の肌。波とハーモニーを奏でるワイキキビーチに居る海の男たちに、
多少なりとも心を惹かれた経験がある女性軍は、少ないないはず。

ゴツイ体格にタトゥーといういかつい出立に反比例して
ジェントルに観光客を波に乗せるワイキキビーチボーイ達。
今日は、そのビーチボーイ歴史をみなさまにシェアさせていただきます。

ビーチボーイの走りは二つのカヌークラブが元でした。
ワイキキが徐々に観光地化されてきた20世紀の始めのころです。

デゥーク·カハナモク、ケニース·ウィンター、ウィリアム達の
海の達人たちが集まりできたクラブです。

そのクラブ、本来「ベリーレイジーサーフクラブ(超怠け好きサーファーのクラブ)」という
名前をつけられる予定でしたが、「Hui Nalu フイナル」という名前で始められたのは1905年。
定着したのはに1911年のことです。
モアナホテルに集まり、ホテルの地下のトイレを使って着替て海へ。
初代の活動はサーフィンではなく水泳。海でひたすら泳ぐのが彼らの目的でした。
が、いつの日からか、サーフィンとカヌーが主のクラブへと変わっていきました。
チームメンバーのほぼ全員は「ハワイアン」。
ハワイアンであれば誰もが入れるのではなく、「海の男」と認められた
アスリートだけが入れるクラブでした。
海と共に生きる彼らは(やはり)金銭には恵まれていなかったため、年間費はたったの一ドルでした。

ちょうど同じ頃、彼らに対抗するように、1908年に「白人メンバー」を
集めた「アウトリガーカヌークラブ」結成されました。
アウトリガーカヌークラブは、より優れたアスリートが集まるフイナルに反して
誰もが入れる社交目的のクラブでした。

1915年 フイナルサーフクラブは、ワイキキビーチで商売を始めました。
それが「ワイキキビーチボーイ」の先駆けになったのです!

「観光客を3本なみに乗せるだけでいいんだぜ。1日それを繰り返したら6ドルは儲かる。6ドルだぜ!!」

当時のワイキキビーチボーイの言葉ですが、海の乞食のような彼らが
ワイキキが観光地として栄えていくと共に、好きなことをしつつも、生活できるようになったのです。
1920年から1930年にビーチボーイ達はビジネスを拡大してゆくとアウトリガーカヌークラブもビーチで商売を始めるようになりました。

ライバル同士だったこの二つのクラブですが、1967年。二つのクラブは合流し、
ワイキキサーフクラブへと変化して行ったのです。

白人派とハワイアン系が合流したキッカケは、観光業だったというのが、興味深いところですよね:)
実は私もワイキキビーチボーイの元祖だった方の影響を強く受けたことがあります。
世界大会のコンテスト出場目的で、ハワイ入りし始めた頃、
不安を抱えていた当時の私を支えてくれたのが、ラビット·ケカイさんです。

「私の名前はうさぎです。頑張って来なさい、エミコ」と、会場でゼッケンを配っていた方。

数年後にメディアとして彼を取材したときのこと。
お昼にマクドナルドをご馳走すると、ご本人は「実はあまりお腹空いてないんだ」と言い、残りを持ち帰り、お腹をすかせていたホームレスに食べ物をあげていたのをみて、ハッとさせられました。
ワイキキビーチボーイスピリットを見せつけられた瞬間でした。

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ラビットさんが語る当時のワイキキビーチボーイの様子

今でも彼らのスピリットはワイキキに残っています。
例えば次女の友人ジョーンはホームレスの子供なのですが、そのジョーンを経済的だけでなく躾までも面倒をみているのが現在のワイキキビーチボーイたちです。
経済的に楽ではないハワイの暮らしだというのに、そういう子供たちを毎週、夕飯と映画に連れていくビーチボーイもいます。

彼らに会うたびに思うのです。
自分がいかに自分勝手に生きているのかということを。
サーフィンやカヌーはただのアクティビティーだけではなく、愛、ケア、リスペクト、バランスを教えてくれるもの。
そう彼らは、言葉ではなく行動で、示してくれているのです。

海人の血潮引き継ぐ海人はアロハの種を世界に振りまく コーヘン恵美子

それではまた次回まで。
アローハ!

記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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