CULTURE

コロナ離婚を考える:心の浮き沈みそして浄化

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こうも「いつもと違う」ことだらけだと、ついつい気持ちがしょげそうになります。

友達との会話も「どこも行けなくてつまんない」とか「いつまでこの状況が続くんだろうか」と浮かない話ばかりをして、浮かない気分で居るのではないでしょうか?

こちらハワイでも浮かない気分のままで過ごしている人たちが、こんな予期しなかったことを起こしています。

飛行機が電車の世の中にハワイに越してきて数年しか経たない日本からのお嫁さんたちは、簡単に飛行機で帰れなくなったこと、そして旦那さんが解雇されたので、日本に戻ってしまうという方が増えているんです。

流行りの言葉で言えば「コロナ離婚」ですよね。

私は、間違っているような気がするんです。

今まで出会った人たちとの良い思い出を、この時期に崩しちゃっていいんでしょうか。あの出会い、あの笑顔、あの愛情は、あの時を、全てこの感染症に崩されてしまっていいのでしょうか?先人たちは、様々な戦争や疫病、飢饉に会いながらも、家族という形を守ってきたんです。逆光であればあるほど、パートナーと力を合わせることが、大切なのではないでしょうか?

人間、生きている中、様々な出来事にあいます。そして、心が浮いたり沈んだりする。沈んだことに罪悪感を感じることもないし、沈んだ時に、自分を変えてしまうこともしなくていい。それをこの詩は語っています。読んでみてください。

『タイタニックの沈没から100周年によせて人の心の浮き沈みを考える』

「どうしたの?」

中身が散らばるスーツケースの横で起き上がれないでいるわたしに、タイタニックは尋ねてきた。

うーん、、、ナショナルジオグラフィックに載ってたあなたの写真をみてたら、直接会って話してみたいなと思ったの。写真のあなたはとても素敵だったわ。

わたし?そんなことないわよ。何かに表現されるとしたらピカソね。髭が生えてるし。タイタニックは微笑んだ。

確かに。彼女はつぎはぎだらけだった。

そんな彼女をみていて、私は、正直に打ち明けたくなった。

彼ともうすぐ別れるの。うまくいかなくったの。彼が、旅立って行く日が来たら、わたし崩れてしまうんじゃないかと思うと怖くて怖くて。だからあなたに会いにきたの。

そうなの。まずは、私の船にお入りなさい。答えがここで見つかるかはわからないけど。

答えは持ってると信じてるわ。だって、1500人の骸骨と共に100年も海の底で眠ってるあなただもん。沈み方はよく知ってるでしょ。

うーん、どうかなあ。わたしほら、ボロボロだから。

だからよ、ボロボロになるわたしがここに来た理由は、ボロボロのあなたの、弟子になりたいの。沈没仕方を習いたいの。だって、豪華客船のあなただもの、たくさんの部屋があり愛しあう人たちが、踊れるボールルームをいくつも持っている貴方だもの、きっと、素晴らしい沈み方を知っているはず。わたしなんて心にの氷山を抱えている。冷たくて冷たくて、、。ねえ、どうしたらいいの?あなたも氷山近づくのが本当はわかっていたんでしょう?

わかってたわ。

なのにぶつかって行ったのは何故?

愛情表現よ。

バンドは演奏し続けていたのよ。キャプテンはハンドルを最後まで握りしめていたのよ。海水を飲み込んだ時はどんな気分だった?ねえ教えて。どんなだったの?

穴があいたと思ったら、凍る海に顔面が突っ込んで行ったわ。

タイタニック話し方はまっすぐだった。わたしは続けた。

次にサビの話しをしましょうよ。彼が去っていった日には、涙のシャンデリアを吊るし、悲しみを現す金属のたけび、キイィーーーっと、悲鳴を上げるの。今、練習しているところよ。

だけどあなたは金属じゃないじゃないわ。

うん、違う、わたしは物書きよ。物語なら作れるわ。

じゃあ物書きでいればいい。

そうね。

彼が去ったその瞬間SOSから書き始めるわ。体が縦になった時にはモーリスコードを出して顔から突っ込んで体が真っ二つになったこと。そしてモーリスコードを出すの。世界が縦になっちゃったことも。私の動体が2つに割れたこと。そして次の日は、ニュースを書く。その次の日は、死亡した人の記事を書く。その次の日は、帰ってきて、帰ってきてとの、嘆きを文章にする。そして碑文を書いて、次の日には、次の世代の為に自信過剰になる危険性を書く。(中略)書いて書いて、書き続けるのわ。100年経っても、彼が私から離れていった痛みをいつまでも、いつまでも、書い続ける。海の底で散らばったスーツケースの横で。

私が泣く姿を、タイタニックは、しばらく静かに見守ってくれた。そしてこう言った。

あなたは若すぎる。こんなに錆びてしまう必要はない。人間の悪いところがそこなの。常に浮くことばかりを考えるから、沈むのが怖い。いいのよ、いいの。海水飲んで、波に撒かれればいいのよ。何度も何度も。だって、あなたは船じゃない。肺もあれば、バタ足できる足もある。だからまた浮き上がることが出来る。あなたの心は、大きな船よ。沈まないけど、沈む船。たくさんの踊り場を持っている船。過去に愛した人をみな、踊らせるだけ踊り場を持っている。

私は、タイタニックの横で、横たわりながら、話を聞いていた。

そうね、私たちの心の中には、華やかに過去の思い出を踊らせる踊り場がたくさんあるのよね。

(終)

何か伝わりましたでしょうか?

動物は、してもいいことと、してはいけないことの違いがわからない、けれども人は実は、良心の心が備わっている。良心。そこには、今までの恩や、もらった愛情が詰まっている。詰まっているから、沈んでも、浮かぶことが出来る。

今の世の中、損得で物を判断しまうことが多くなっている理由の一つは、きっと、ネットや本などの、間違った価値観を応援する言葉に、惑わされているからだと思えてなりません。傷付けられた言葉や、パートナーの態度にイライラしてしまうのは、良心の中に溜まっている、暖かい者の変わりに、冷たく重たい言葉をためてしまっているのではないかなと。

ハワイアンの古代の話の中に、そういう状態でいると、しまいには、暖かい心の火が消されて、石に変わってしまう。。。

石に変えられたら、海底から動けないし。

良心を見つめること。

忘れないでいたい行いです。(と、私自身にも言い聞かせてみました)

それではまた次回まで。

アロハ!

記事: エミコ•コーヘン
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