CULTURE

心動かされたハワイ歴史映画
”The Islands”

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昨日、たまたまだったんです。この映画を知ったのは。

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現在ノースショアでトリプルクラウンというサーフィンの世界大会が行われているんですが、その最終戦のパイプマスターズに娘ティナの彼氏が出場するというんで、(生の観戦は渋滞するんで行かなかったんですが)動画観戦をしてたんです。

(負けちゃったんだけど)そのライブ動画のコマーシャルに「ハワイの歴史系の映画が公開されてます!」というのを見つけちゃって!!

年末だから色々仕事も私生活も押し迫って忙しい時期なんですが、次の日になる今日、早速映画を観に行っちゃいました!!車で7分で行けるパイプマスターズは観に行かなかったのに。やはり私は歴女です。何か突き動かされてしまう感じで(笑)

でも、物事にはプロとカンがありますよね。少し行くのをどうしようかな~という心もあったんです。アリイと西洋人のやりとりの部分がフィーチャーされても映画って聞いた時に、マウナケアで揉めてることもあるだけに「民族よりのちょっと右の強い話」なのではないかと懸念したんですが、フィクションではありながらもハワイ大学でハワイの歴史を教えているハーバード大学で博士号を取った女性が映画のライターさんだってことで、事実に近い話だと。そうなると右や左、どっちに偏っていようが、観る価値がある、そんな風に考えを意図してそちらに持って行き、結果、観に行くことに決めたんです。

で、実際にどうだったか。。。

最初はかなりあなどっていました。役者さんたちはハワイ語を喋る人ということで選ばれている様で、いまひとつ、演技が洗練されてないんですよね、私の目から見たら。ハリウッドの役者さんの演技とはやはり違う。。これは途中で寝ちゃうかもしれないな。。などと思っていたのですが、見てるうちにすっかりのめりこんでしまい、最後の感想から言うと、

良かった!!

観て良かった!!

本当に良かった!!

泣けました!!!

そして皆様にすぐにでもシェアしたい。チャンスがあれば公開されているうちに多くの人に見て欲しい。と言う気持ちになり、今、こうしてスケジュールをさらに押して、書いていると言うわけなんです。

さあ、始めます。もちろん映画をこれから見たい方の為に、内容を全部書きませんが、特に英語に慣れていない人のためにも、背景だけでも説明したいと思います。

時代はカメハメハ大王の次の王様「リホリホ」の時代です。

主役は「カピオラニ王妃」。先日、ここのブログに書いた「ワイキキツアー」でもカピオラニ女王の銅像の話を書きましたが、その女王の方ではなく、そのおばさんに当たる同じ名前のカピオラニ王妃の方です。

彼女が生まれた時はちょうどキャプテンクックがやってきた直後。地元のハワイ島(ビックアイランド)では、内戦が絶え間なく起きていました。

彼女のお父さんは、ハワイ島、ヒロのケアヴェ。ケヴァエは、カメハメハ大王に内戦中に殺されたキヴァラオの甥にあたる人。彼も内戦の被害者。父親が殺された時、カピオラニも戦場にいたのですが、まだ小さかった彼女を、生き残った戦士がかろうじて救い、命をつなげることに成功しました。

その後、内戦から避ける様に静かに山の中にて、王家の血を引く人物であるがため、大切に大切に育てられました。が、もともと持ってた気質でしょうか、小さい頃からすでにリーダーの貫禄を持っていて、鋭くかつ透き通った目を持つ、特別なオーラを放っていたそうです。しかも武術にも優れ、頭も切れる人。そこが買われて後にカメハメハ2世(リホリホ)の側近に任命されました。

カメハメハ2世(リホリホ)とは?

カメハメハ2世(リホリホ)といえば、大王の後継でありながらも気弱な人物で、大王の摂政カアフマヌに操られ政治を行ったってことで有名な人物です。が、この映画ではそのことには触れておらず、「ハワイアン信仰を禁止し、殺害のない時代を作った人物」と紹介されています。

「殺害のない」時代と信仰がどう関係してくるのかって?

映画の中でも説明がさらっと説明されているんですが、15000年前からハワイには人が住む様になりました。太平洋を渡ってきた最初の民族がハワイに住みだして、長い間ずっと戦争のない時代が続いていました。しかし、パアウというタヒチからやってきた戦争の神様(クー)を信仰する僧侶と、その仲間たちがハワイにやってきてから、内戦が始まりました。そしてその戦争の神様クーと、そしてペレの信仰がハワイに広まったのです。

その信仰では人間の「生贄」が行われました。

例えば、火山が爆発しだしたらペレの機嫌を損ねている証拠。それを鎮めるためには、人間の生贄を捧げなければならない。それを破れば、民みんなの命が危なくなる。したがって、生贄。生贄に人は、どんなに素晴らし人であっても、ペレに精通するとされている人から指定されたら、不条理であっても、殺される=生贄になる=信仰があるから殺害があるという式が成り立つんです。

カメハメハ2世(リホリホ)はそれを禁止としました。

しかし、実際、信仰を民から完全に取り除くことは難しい。神に逆らうものは痛い目に合うと、ずっと信じてきた人たちは、政府から信仰するなと言われても急にはやめられない。怖いんです。とくにペレの信者の信仰心は強く、神社が壊されても、信仰は続いていました。要するに殺害(生贄)も禁止令が出た後も続いていました。

ペレの信仰が強い地域に住んでいたカピオラニ王妃ですが、すでにリホリホに使えていて西洋の人たちとも関わっていたので、英語もできる、しかもキリスト教を学び始めていたので、気持ちは揺らいでいました。当然西洋の人たちは、ハワイで言われるタブーをしても、バチが当たらない、普通に暮らしを続けているというところを彼女自身が見ていたのと、人は皆平等で、生贄で人の命をとるなどとんでもないという考えを持っているがキリスト教の人たちであり、そこに温かみを感じていたのと、自分たちの信仰の残虐さに気がつき始めていました。

徐々に彼女は古来ハワイの信仰と西洋のキリスト教とを天秤にかける様になり、、ついには立ち上がりました。ペレにチャレンジをするのです。そのチャレンジの仕方が、とても勇敢で、、、。実際の話は宣教師たちの手により書き残されているということを聞いていたので、それが本当に起きたことなのかと思うと、心動かされますよ。本当に。今まで文字だけ追って私も歴史に触れてきましたが、文字にしてしまうと「へえええ」で終わりますよね。でも映画は画像だし、感情表現が可能になる。生贄になる人、生贄を捉える人、死刑執行する人の心が読める様になると、なんだかただ単に「古き良き時代の信仰を戻そう」なんて言えなくなりますよ。

さてそのチャレンジはどうだったのか。。。この先はもう映画を見てください。。。ってことなんですが、正直言って全く予想のつかなかった展開でした。今まで歴史の話をシェアしながらも、私自身気がついていなかった部分があったんだと何かまた深いものを学ばせてもらった様な気がすると共に、どの時代も人は人。どんな環境でいても人は人。暖かい血が流れている同じ人間だってことに気がつかなかった自分が少し情けなくなったりもしてます。。。。

「西洋人のお陰で俺たちの土地は奪われたんだ」怒っているハワイアンが最近増える風潮にある中、思い切った作品をハワイアンの方は世に紹介してくれたと、とても感動しました。そして、、

「ハワイの信仰を壊したのはハワイアンだった。だからよかったんです。」とおっしゃっていたハワイアンの言葉が今、蘇ってきました。

興奮冷めないままの記事になり読みづらい点も多々あると思いますが、ここまで読んでいただけたことに感謝しております。忘れそうになっているこの記事を書いた意図:機会あればぜひ、この映画を観てくださいね。

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以下が”The islands”が放映されている映画館です。

Regal Pearl Highlands

Consolidated Theatres Pearlridge

Consolidated Theatres Ko’olau

Consolidated Theatres Kapolei

Consolidated Theatres Pearlridge Ward

それではまた次回まで。

アロハ!

記事: エミコ•コーヘン
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