私たちを魅了し続けるフラ。一体どこから来たのでしょう?
まず一般的に知られるペレとヒイアカの間から生まれたという説。
様々な神々が宿るハワイですが、その中でも嫉妬心の強く憎めない存在の女神ペレ。
そのペレの時代にフラはハワイにやってきました。日本の神話もそうですが、ハワイの伝説も今の私たちには理解し難い話がたくさんあるのですが、(ハワイの神話はまた違う機会に説明します)ペレが産まれた話も興味深い。ペレはハウメアとワーケアの子供です。母親のハウメアが火を交えた吐息を出した際に、ペレが産まれたと言われています。(ペレは実在の人物だったという話もある)
そのペレ。紀元600年ごろに、タヒチからカヌーに乗りハワイにやってきました。最初にたどり着いたのがハワイ諸島の北西に位置するニハオ島(https://ja.wikipedia.org/wiki/ニホア島)その地がとても湿っていて住みにくいとし、ペレは、少しずつ南下。最終的にキラウエア山のクレーターに腰を降ろしました。
【ペレをテーマにしたフラ動画(娘が通うノースショアの(田舎の)ハラウ)】
フラダンサーのヒイアカはそのペレの脇の下で温められた卵から産まれました。そのヒイアカは友人のホポエからフラを教わりました。ヒイアカはペレの命令で、ペレの魂が旅をしたときに出会い恋に落ちたカウアイ島の若手アリイのロヒアウを連れて帰ってくるように命じました。そのヒイアカが島々を旅をしたため、フラが伝わっていったということ。繰り返しますが、この説は、比較的、多くのフラダンサーが知っているお話です。
ヒイアカをテーマにしたフラ動画(娘が通うノースショアの(田舎の)ハラウ)
で、これは「一説に過ぎない」ということは、歴史を深く知りたくてこのブログの読者になってくれている皆様は理解しただけることと思います。。。ということで次の説に写ります。
タヒチからやってきたラカと呼ばれる神と女神がハワイにやってきた。男性の神は、タヒチに戻ってしまったが、女神の方はハワイに居残った。その女性のラカが、ハワイにフラを伝えたそうです。その筋が生きたフラはラカ(女神)に捧げるものです。
3番目の説です。モイケハというタヒチアンチーフがハワイに来た際、息子のラアと一緒にきた。ラアはパフ(サメの皮で作られたドラム)をハワイに持ってきて、2度目の渡ハでは、カエケエケ(竹でできたフラ道具)を持ってきた。この説によるとラアが、ハワイの人たちにフラを教えたという事です。
4番目は、モロカイが発祥地だという説。928段のチャントを伝授され近代に紹介したジョン·カ·ミカウア氏。彼曰く、モロカイのライライが最初のフラダンサーで、その家族の間でフラは300年間もの間、静かに踊られていた。そして、ラカに伝えられたのが紀元1100年のこと。ラカはカポウラキナウという名のお姉さんに踊りを教えた。そのことはジョン氏に受け継がれたチャントの中で述べられていることです。カポウラキナウがハワイの島々を旅して周りフラを教え、教える傍、場所場所で、使われるドラムなどのフラ楽器を開発したということです。
うーん、どれが本当なんでしょうね~~。最初のフラダンサーはホポエなんでしょうか?それともラカ?ラアかしらライライかしら?ヒイラニワイなんでしょうか???
共通することは南太平洋からやってきたということ。で、ここが鍵です。。。歴史の出来事を把握するには、その当時のスチュエーションを理解する事。太平洋は広い訳で、さらに、今のようにインターネットどころか、手紙もなかった時代。ハワイにたどり着いた移民族も、お互い交信することなんて容易にできるものではなかった。要するに、島の東に到着したフラダンサーは、西でフラが踊られていたとしても、「私が最初にハワイにフラをもたらした人物だ」と理解したようなのです。ですが、驚くことに、踊る理由がほぼ共通しているんです!
「フラは言葉のない時代の教訓」だった。噛み砕いてみると。。。
1 チャントに出てくる神々は、人と同じような弱点を持っている。逆に言えば、人自体が、生き方の選択により、神と同格な物体になれるということを、フラで皆に伝えていた。
2 波の満ち引きを観察したり、太陽の昇降、雲のフォームをじっくり観察しながら、チャントを唱えるという練習が繰り返されるが、フラは人々に自然現象を教える役目を果たしていた。
3 フラは詩的な表現をする。そのことで、人のクリエイティビティーと人間性を養った。
4 自分たちの祖先を繰り返し、チャントし踊ることで、祖先との繋がりを確認するものだった。
後に、戦争に出るときに勇気付のためのフラ。アリイに捧げるフラなどが加わってきます。
フラを教えるのはいつの時代もクムではなく「大自然」だということ。大自然が踊り方を教えてくれるのです!では先生という意味の「クム」という存在は???
クムという言葉は、西洋の人がフラを始めてみた時にはなかったそうです。西洋人の感覚では学校には先生が必要なんですよね。上から指導する先生というものが。実は古代ハワイアン社会には先生という言葉がないんです。カフナなどの人をまとめ持ち上げ、ガイドする人はいましたが、上から下に教えるという人がいなかったから。そこで、当時のハワイアンが西洋人のためにつけたのが、クムという言葉を選んだ。意味は「木の根っこ」。クムは枝になる人を支える存在でなければならないのです。そしてダンサーの皆様に心してもらいたいこと。
大自然の声を聞き、大自然の一部になって、踊ってください。きっと何かが誰かに伝わるはずです。未来の地球のためになる何かが。
写真 / ノースショアの大波
潮の満ち引き、波の崩れ方、雲の動きなどの自然現象からインスピレーションを受けて踊る。それが本当のフラなのです。
記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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