CULTURE

ハワイ歴史のかけら·ニイハウ事件と不幸の強制

WW2 Japanese war planes_Easy-Resize.com

1941年12月7日。

一等兵のニシカイチは、真珠湾に向かっていました。

冒頭の写真はハリウッドムービー「パールハーバー)の撮影のために我が家の上を通ったゼロ戦。

目的は「真珠湾を攻撃」するため

ところが、米軍のレーダーに引っかかり、銃撃を受けてしまいました。結果、ガスタンクに穴。真珠湾に行き着く術をなくし、「ニイハウ島に不時着」しました。

当時ニイハウの島は無人島で、不時着するのに好都合な場所だとという間違った情報が日本軍の中に広まっていました。が、間違っていて幸運を得たのは、ニシカイチ。突然、空から降って来た外国の飛行機。息がまだあるニシカイチを、地元の男性カレオハノが発見。家に連れて帰り、ご飯を食べさせたりと、手厚く介護。九死に一生を得たのです。

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↑ MAP / 今でもニイハウは、ネイティヴハワイアンたちが昔ながらの生活を営み、観光客を始め外来者は入れない島

そうなんです。ニイハウ島に真珠湾の攻撃の情報が流れて来たのは、かなり後のこと。

日本人の不時着を知った知ったニイハウに住んでいた日系人、ハラダヨシオ、イシマツ、イレネ·シンタ二の3人は早速、ニシカイチに近づきました。同じ血を引く者同士、助けようとしたのでしょうか、それともアメリカ人として、日本の状況を調べようとしたのでしょうか、彼らの仲が深まると同時に、真珠湾で日本人がしでかした話は、ニイハウの島の隅々まで行き渡りました。

「日本人め!」

怒りをあらわにしたニイハウのローカル、ベン·カナヘレは、ニシカイチを殺害。それを知らされた例の日本人の仲間の一人、ハラダは傷心し、自殺。その件はアメリカの軍にリポートされました。

結果「やはり日本人は地元の日系人と連んでいたんだ!日系人は皆スパイだ!!」とされ、無実のハワイ在住日本人たちは収容所にいれられることになったのです。しかもアメリカで育った日系人2世までも卑下され、困難な日々を強制されることになったのです。

。。。。。。

こんな話をハワイの歴史家ピーターヤングさんの記述から読んだ日、たまたま読んでいたのが、ナチス強制収容所の話。(本の名前:Man’s Search for meaning ) 精神科医のVIctor E Frankl 自身が、収容所にいれられ、究極な体験をした時の話。ただの体験談ではない。生き地獄の中の人間の様。それをさすが精神科医、冷静に文にされ、その中の気づきが最後に書いてあるという貴重な生の声です。

収容所でどんなことをされたかという話は、きっとみなさんも歴史書の中で学んだでしょうが、そういった中で、生き延びていく人と死んでゆく人、そこの違いが何なのかが語られている記述は少ない。

彼の観察によると、囚人が飢餓や病気で死んでいく確率が高いのはクリスマスの後だったと。食べ物もほとんど与えられず極寒の中、強制労働を強いられた人たちの多くは「クリスマスまでには出て家族とクリスマスを迎えたい」と希望を持っていたのが、実際にクリスマスが過ぎても、収容所から出られらなかった人たちは落胆を背負い、次から次へと死んでいった。が、一方、「労働時に見える夕陽の美しさを賛美する」様な連中は、時として食事が与えられない時でも、生き延び、しかも穏やかな顔をしていた。

·······

ニイハウの一件から不幸にも収容所に入れられてしまった日本人たち。戦争やそして天災など、外からの刺激は避けられないものです。

自分ではどうしようもない様な「不幸と思える出来事」は、生きている間に次から次へと降りかかってきます。

その時に大切なのは、不幸と感じて嘆くか、大きくなるための試練を与えられたことに感謝するか、は、自分たちの「自由な選択」だということを、様々なところで様々な人が語っています。で、後者を選択した人たちが、最後には生き延び、命を繋げ、世代を超えて、幸せを分け与えることが出来る。ここハワイでも、あの収容所で日系人たちが希望を失わないでいてくれたからこそ、こうして、私たちがハワイで楽しめる時を迎えているのです。

最後に、希望を失わずにナチス強制収容所を生き延びたVIctor E Frankl さんが残してくれた大切なメッセージをみなさまにシェアしたいと思います。

「成功を望むな。追えば追うほど成功は逃げてしまうものなのだ。成功とは充実感の様に、目指すものではない。あとから感じるものだ。日々、自分より大きい何かのために自分自身を捧げること。そうすれば、成功が君を追いかけてくる。そして生きているという充実感を味わうことができるんだ。生きている充実感とは、この世に送り出された以上、それぞれの者が、味わなければならない。どうか、あなたの良心の声を聞いてくれ。声に従いベストを尽くし続ければ、必ず成功が追いかけて来るのだから。忘れてはいけない。成功を決して意識してはいけないということを。」

それでは次回まで

アロハ!

記事: エミコ•コーヘン
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