CULTURE

フリーソールに育てられる「落書き文化」

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「うちの子、反抗期だから」日本では一言で片付けられることは多い青年期のはみ出し。私もそうなんですが、親になるとついつい自分が子供たったときの思いを忘れてしまう。でも、よくよく考えてみると、皆、あったと思うんです。「親や周囲は全く私のことを理解してくれない」と思う瞬間が。それが「個性の現れ」なんですよね。

そしてその個性。アメリカでは「個性とは何か?」を小さい時から考えさせられる機会が与えられているので、極端な例をあげると、自分の性別が自分とマッチしてないことに早めに気がつき、「自分はゲイだ」とカムアウトする子供も少なくないんです。娘の仲良しの友達の中で、マイカという男の子がいるのですが、彼はハワイアンしか通えない学校のカメハメハ高校に所属しています。彼は、自分がゲイ(ハワイ語でマフー)であるということに気がつき、カムアウトしました。カメハメハ高校では、ゲイクラブというのがあり、カムアウトした勇気が讃えられ、様々なところで特別な待遇が得られるというシステムがあります。家族や社会が、そういう部分まで(そういう部分だからこそ)理解力を示してくれるのは、アメリカ社会の良さだと私は思っています。

ただ、もちろんその様にスムースにいかない場合もあります。宗教家の家族の中で育った子供が、自分の家族の宗教から逃れて生きたいと思った時に、家族から追放されてしまう。そんな話もよくあることです。ただし、そこでもまた救いがあるのです。同じ様な境遇で育った大人が話しを聞いてくれて、サポートしてくれたり、どこかに行けば、どこかに救いの神が現れてくるのです。

私も母親なので、子供たちがはみ出したときに、もちろん混乱はすると思います。が、「社会が健全であるためには個を認めること」は大切なことです。

アメリカ社会では自分と同じ様な痛みを子供たちに味あわせたくないと思う人たちが、立ち上がり、頭の固い親やアル中や薬付の親を無視して子供を救いにかかることは多々あります。そんな彼らは、溜めたストレスを発散させる方法を健全である様にと仕向けるのです。具体的には夜のドッヂボール練習や、サーフィンやフラを教える団体などなど。

落書きもその一つ。夜、世間が寝静まった頃に若者たちが集まり「壁に落書き」をするという、もともと違法だった行為を、アートワークとして残していこうという運動が起きています。その現れの一つがカカアコパークです。若者たちの「フリーソールが文化になった」ということなんです。

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写真 カカアコパークに並ぶ壁絵です。今や写真撮影に向く格好の場所とされ、多くの人が集まってきます。

人間はロボットではないんですよね。若者の心の叫びを「反抗期」として片付けてしまうのではなく、正しい方向に導く(それぞれの個性を伸ばしてあげる)ことが出来れば、世の中、良くなる様な気がしますが。。私もいち親として自分に言い聞かせています(汗)

それではまた次回まで。
アローハ!

記事: エミコ•コーヘン
ノースショアの宿(ハワイラブカード加盟店)
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